便秘の悩みには食事だけじゃなく「水分補給」も重要!

人は毎日食事を摂取しています。そして、胃や腸で消化され吸収されなかった不要なものを便として排泄しています。
しかし、便秘のため便が排泄されないと、腸内で便に含まれている水分が再吸収されてしまい、ますます出にくい硬めの便になってしまったり、腸内環境が悪化してしまったりと悪循環です。そこで今回は、重苦しい毎朝をスッキリできる方法とその対策についてお話します。
たくさんの人が便秘で悩んでいる!

厚生労働省が平成28年に「国民生活基礎調査の概況」として世帯員の健康状況についての調査結果を発表しています。その中に便秘について自覚症状があると回答した人は、人口1,000人あたりで男性24.5人、女性45.7人にものぼります。(単位:人口千対)※1
日本人の多くの人が便秘に悩まされています。
便秘には種類がある?!

便秘は大きく分けて機能性便秘、器質性便秘の2つです。※2
食生活や生活習慣が原因で起こるのが機能性便秘、胃や腸に疾患が原因となる機能性便秘は、さらに弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘の3つに分けられ、日本人の多くは弛緩性便秘といわれています。
これらはなにが違うかというと、以下のように原因が異なります。※3
- 弛緩性便秘 … 大腸の運動機能が低下していることが原因とされています
- 痙攣性便秘 … ストレスを感じることで結腸の緊張状態になり、便の流れが悪くなることが原因とされています
- 直腸性便秘 … 慢性的に便意を我慢してしまうことで直腸まで便が降りてきているにもかかわらず、神経が鈍り便意が起こらなくなってしまうのが主な原因とされています
このように便秘になる原因は様々ですが、これらの機能性便秘であれば食事や普段の習慣によって中からキレイにしていくことは可能です。
では、どのようなことを心がければ良いのでしょうか。
便秘で重かった毎日をスッキリした朝にさせるには…

機能性便秘には、食生活を中心とした基本的な規則正しい生活を心がけることが肝心です。ポイントとしてあげられるのは3つです。※3
- 食物繊維
- 発酵食品
- 水分
食物繊維を多く含む食品を積極的に食べることが大切です。食物繊維を摂取することで、便の量を増やしたり、腸の動きを促したりします。
<食物繊維を多く含む食材>・緑黄色野菜
・そば
・玄米ご飯
・さつまいも
発酵食品には中からキレイにしてくれる菌がいるので、毎日の食生活で続けていくことが大切になります。
<代表的な発酵食品>・ヨーグルト
・納豆
・お味噌
・キムチ
・チーズ
水分を十分に摂取することで便を柔らかくし、排泄しやすくなります。特に、朝起きた直後は睡眠中に汗をかき、体から水分量が減っています。
必ず目覚めの1杯のお水は欠かさないようにしましょう。また人間は食事からもたくさんのお水を摂取しています。朝食や夕食を欠食しないように、水分も栄養もバランスの良い食生活を送りましょう。
※お酒はアルコールによって、お茶やコーヒーはカフェインが含まれるため、利尿作用があります。そのため、水分補給には向きません。水分摂取には極力お水やスポーツドリンク等を飲むようにしましょう。
水分を十分に摂ろう

お水や食事から摂取した水分は、腸から吸収され、血液等になり全身を循環していきます。 人間が1日に摂取する必要がある水分量は、食材から摂取すべき水分が約800mℓ~1ℓ、飲料水から摂取すべき水分が1日約1~1.5ℓです。
つまり、人間は毎日1.8~2.5ℓの水分を摂取する必要があります。※4
食欲がない、喉が渇かない等の理由でお水を飲まないと、体の中の水分量が減少していきます。 身体の中の水分量が減少することで便が硬くなってしまい、結果的に排泄しづらくなることが便秘につながります。 また、その他にも水分補給を怠ると暑い時期は熱中症を引き起こす原因にもなります。 詳しくは「お水を飲んで健康改革! 効率よく家族みんなで水分補給をしよう」をご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
便秘に悩んでいる多くの人は、普段からの生活習慣を変えることで改善することができます。
- 食物繊維を摂ること
- 発酵食品を摂ること
- 水分補給をおこなうこと
乳幼児や高齢者は、特に自覚症状が出づらいので、家族全員で毎日の生活習慣を見直し改善していくことが大切です。今回の記事がご自身、家族全員の水分補給を見直すきっかけになっていただければ幸いです。
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参考文献
- ※1 平成28年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
- ※2 便秘と食事(厚生労働省)
- ※3 おなかの環境をよくする食事(栄養管理室 管理栄養士 柿崎 祥子)
- ※4 ゼロから理解する水の基本(2013/監修千賀裕太郎)