南阿蘇村は、日本名水百選や平成の名水百選に選ばれている水源を11か所も持つ「水の生まれる郷」と呼ばれる場所。

ここには、繰り返し起こる阿蘇山の噴火によって砂と泥が交互に重なった、お水を通しやすい層と通しにくい層からなる天然のフィルターがあり、このフィルターがあるからこそお水が綺麗に浄化され、ミネラルが含まれたおいしいお水が生まれます。さらに南阿蘇村は、熊本市内より平均降水量が約40%ほど多く、盆地が広がっているので、綺麗な天然水が多く蓄えられる仕組みになっているのです。

工場がスタートする前、九州で採水地を探していたプレミアムウォーターと、南阿蘇のお水を広めていきたい村長の想いが良い縁でつながりました。互いの想いが合致し、採水地として決定するには時間がかかりませんでしたが、工場が竣工するまでには約2年もの時間をかけることに。

元々、米農家・水田農家の方が多い地域のため、お水に対する愛着や誇りを持っておられました。そのため工場設立に対する心配や不安の声をいただきましたが、南阿蘇村の貯水量やくみ上げる量、環境への配慮等を丁寧にご説明させていただき納得していただきました。

それからは、地元の方々を工場にご招待するBBQや田植えイベントを実施して、継続的なコミュニケーションをおこなうことで、地域の中での人と人とのつながりが生まれています。

プレミアムウォーターの南阿蘇工場は無事竣工しましたが、その約1年半後、熊本地方を地震が襲います。

災害時、南阿蘇村は場所によっては被害が大きかったものの、幸い工場はほとんど影響を受けず、2週間後には復旧して生産を再開。しかし、1週間は停電で何もできない状況だったので、その間、ウォーターサーバーや天然水を避難所にお届けしたり、復旧・支援活動をおこなったのですが、この経験を通して、改めてお水の大切さや、自分たちの仕事が社会に貢献できるという実感が持てました。

その後も復興に向けた取り組みとして、復興支援マラソンへの協賛・参加をはじめ、常に南阿蘇村と協力し続けてまいりました。工場が再始動してからのこの約7年半は、地域の皆さんと共に歩んできたと言っても過言ではありません。

南阿蘇の山々に降り注ぐ雨は静かな川へ流れ、一方では素晴らしい農作物を育てる。この地域では昔から米や野菜作りが盛んで、イチゴやブルーベリーといったフルーツもとても豊かにおいしく育ちます。

また、大地に生まれる芽を守り、美しい草原が広がる、雄大な大地でおこなう放牧も恩恵を与えてくれる。そこで自由にも大事に育てられた牛たちは、肉質・うま味・やわらかさを兼ね備えた「くまもとあか牛」として世の中に知られています。

さらに、南阿蘇白川水源のお水を宮崎県まで運んで作っている「みなみ阿蘇ビール」は、南阿蘇のホップとプレミアムウォーターの天然水で作ったビールで、地元の崇城大学の学生さんがラベルデザインを担当するという素晴らしい地域内共創となりました。

世界有数のカルデラの地で南阿蘇の天然水は、様々な人のつながりや価値を生み出し続けています。そこに生きる植物や動物、人々の暮らしをやさしく見守りながら。