水道水の「塩素」とは? 今さら聞けない水道水の疑問
「水道水に含まれている塩素って、よく聞くけど結局なんなのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。そもそも、なぜ水道水には塩素が含まれているのでしょうか? そんな水道水についての様々な疑問を詳しく解説します。
目次
水道水に塩素が含まれている理由とは
疑問に端的に回答すると消毒のためです。
そもそも塩素とは、塩をお水に溶かした塩水に電気を通して作られます。この塩水を電気分解することで塩素とカセイソーダというものができます。 塩素の特徴として強い殺菌力があることや、殺菌の効力を蛇口まで維持することができる残留性があげられます。※1
水道水の原水となる河川等のお水には、様々な微生物が含まれていて、それらを体内に取り込むと感染症等を引き起こす恐れがあります。実際に塩素消毒がされていなかった過去には、世界中でお水を感染源とした水系感染症が原因で多くの命が亡くなってしまっていたとされています。
塩素による人体への影響は?
残留塩素を摂取してしまうことで悪影響があるのでは?と思っている方も多いかもしれません。 しかし、水道水に含まれる残留塩素の量はごくわずかで、生涯水道水を摂取し続けても人体への悪影響はないとされています。※2
ただし、残留塩素による髪や肌への外的影響が気になる方や、ペットを飼っている方等、理由は様々ですが、塩素の入った水道水をそのまま使うことに不安を感じている方がいることも事実です。※3
また、健康への影響はないのですが、味や臭いという面では影響が生じることがあります。
水道水を使うときに、「カルキ臭」を感じたことがある方も多いと思います。塩素消毒されているプールでもお馴染みの、鼻にツンとくるような臭いです。
地域や季節等の環境によっては、水道水に使われる塩素の量が多くなるため、カルキ臭が生じることがあります。カルキ臭はそのまま飲むときにはもちろん、そうめん等のお水をそのまま使う料理を作るときにもカルキ臭が残ってしまい、料理の香りに影響を与えることがあるといわれています。
世界のお水事情
日本の水道普及率は?
厚生労働省が発表している2019年度の「水道普及率の推移」では、国内の水道普及率は98.1%です。※4
蛇口をひねればいつでも自由にお水が出る状況です。一方でアメリカやイギリス、ブルガリア等の国は水道普及率が100%に達していますが、アメリカとブルガリアは地域によって水道水をそのまま飲むことはできず、イギリスもそのまま飲む場合は注意が必要とされています。このように日本は世界でも屈指の水道先進国と言えます。※5
世界の水質基準
では、世界の水道はどうなのでしょうか。
水道水の水質基準がどのように定められているのか紹介します。
前提として、WHO(世界保健機関)では、飲料水についての水質ガイドライン「WHO飲料水質ガイドライン」を定め、各国に水質基準を設けています。※6
このガイドラインは、それぞれの環境や経済的な状況を考慮したうえで、国によって少しずつ基準項目に差異があります。また、ガイドラインより厳しい基準を設けている国や地域もあります。
アメリカ
「健康項目に係わる第一種飲料水規則」と「水道の利用の上での障害になる項目に係わる第二種飲料水 規則安全飲料水法(SDWA)」に基づいて水質基準が規定されています。
国土が広く、州によっても水質が異なるため、この基準以上の規則を設けている場合もあります。※4
ヨーロッパ
欧州委員会による「EU飲料水指令」というものが水質基準として作られています。加盟国は、WHOのガイドラインと同様にそれぞれ環境や経済等の状況に応じて、より厳しい上乗せ基準を設定していることもあるようです。
また、加盟国は3年に1度の頻度で、水質基準を欧州委員会に報告し、加盟国の水質基準をチェックするようになっています。※7
世界から見ても日本の水道事情はすごい?
一方で、日本の水道水質基準は、全国一律に適用されており、水道法第4条に基づいて厚生労働省令によって定められています。
また、水質管理上注意する項目として「水質管理目標設定項目」が、今後必要な情報・知見の収集に努めていくべき項目として「要検討項目」が、それぞれ定められています。
この水道法によって定められた内容は、世界的にみても水質基準項目が多く、なおかつ数値も厳しく設定されています。これにより日本の水道水は品質を維持しています。※8
また、漏水率の低さも水道水の安全性に関係しています。
2007年時点での「世界大都市気候変動サミット」では、海外における漏水率は、ロンドンで約26.5%、モスクワで約10%、トリノやイスタンブールは約25%というように先進国都市の漏水率の平均は10%前後と言われる中で、東京は約3%の漏水率で世界各国を驚かせたそうです。※5
このように水質だけではなく、日本の水道技術は世界でもトップクラスの基準を保っているのです。
ミネラルウォーターの購入者が増えている理由
しかしながら、近年では水道水ではなく、ミネラルウォーターを消費する日本人が増加しています。※9
「東京都における消費者の飲用水選択種類と選択理由による類型化」という論文では、特に自宅での食事の際には、味や安全性を理由に浄水器やボトルのお水を希望する方の割合が多く出ました。職場等へウォーターサーバーを希望される方も多くみられます。※3
これは、冒頭で説明した「カルキ臭」等が原因でおいしくないと思われる方や今なお水道水に対して安全性への不安を抱えている方が多いことが結果にあらわれています。
また、外出時にも安全性や手軽さといった理由でボトルのお水が選ばれる傾向にありました。自宅でボトルのお水を飲まれている方は、外出時もボトルのお水を選ばれる傾向にあり、ミネラルウォーターが身近な存在になっていることもわかります。
日本のお水は安全性が高い。自身のライフスタイルに合わせて選ぼう
今回は水道水に含まれる塩素や安全性について紹介いたしました。 カルキ臭によって敬遠されがちですが、日本の水道水は世界的にみても安全性が高いものです。 ただ、味や臭いが気になってしまう方はそのまま飲むのではなく、浄水器をつけたり、ボトルのお水やウォーターサーバーを利用したり、様々な選択肢があります。
それぞれのライフスタイルに合ったお水が選べることを知っていただければ幸いです。
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※日本流通産業新聞社調べ(2023年12月末時点)
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参考文献
- ※1 塩素Q&A(日本ソーダ工業会)
- ※2 水道水の安全性について(東京都水道局)
- ※3 東京都における消費者の飲用水選択種類と選択理由による類型化(天野厳斗・栗栖聖・花木啓祐/2013)
- ※4 水道普及率の推移(令和元年度)(厚生労働省)
- ※5 ゼロから理解する水の基本(監修千賀裕太郎/2013)
- ※6 WHO 飲料水水質ガイドライン(WHO)
- ※7 日本と先進国との水質基準の比較に関する考察
- ※8 日本と先進国の水道水質基準等一覧表(水道技術研究センター)
- ※9 ミネラルウォーターの1人当り消費量
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