胃もたれの予防におすすめの飲み物は「白湯」
食べ過ぎや飲みすぎた後の、不快な胃もたれ。誰もがなりえる身近な症状ですが、そもそも胃もたれとは、どのような状態なのでしょうか。
この記事では胃もたれの原因や予防法を紹介します。長引く胃もたれは病気である可能性もあるため、病院を受診した方が良いケースも解説します。つらい胃もたれのときに、おすすめの飲み物も紹介するので、試してみてくださいね。
目次
知っているようで知らない胃もたれとは?
日頃、胃の不快感に対して「胃もたれ」と言っていますが、正確にはどのような状態を指すのでしょうか。
胃もたれとは
胃が重い、みぞおち辺りが張っている、もたれるという不快感は、食べ過ぎたり飲みすぎたりした後に起こることが多いようです。
胃の役割は、小腸での消化の準備段階として、食べ物を小腸へ行く前にある程度ドロドロの状態にすることです。胃の入り口には「噴門(ふんもん)」があり、胃に入ったものが食道側に逆流しないようになっています。胃の出口には「幽門(ゆうもん)」と呼ばれるものがあり、胃での消化が終わったものを小腸へと流す役割をしています。
口から食道を通って胃に入ってきた食べ物は、胃の蠕動(ぜんどう)運動によって胃液と混ざります。口で唾液と混ざり、噛み砕かれた食べ物が、胃の中でさらにお粥のような状態にされるのです。ここから蠕動運動によって消化され、幽門から少しずつ小腸に運ばれていくのです。
ところが、食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレス等によって胃の働きが低下すると、蠕動運動がうまくいかなくなります。すると小腸へ食べ物が流れず、胃の中に留まってしまうことにより、胃もたれとなり不快を感じるのです。
また、空腹時にも胃もたれを感じることがあります。強力な胃酸から胃を守るために、粘膜が存在しますが、空腹時には粘膜が胃酸にさらされ、荒れてしまいます。そのため空腹時にも胃もたれになることがあります。
胃もたれの原因とは
胃酸不足
胃酸は、胃から分泌される消化液です。その消化力はとても強力ですが、不足すると胃での食べ物の消化が十分におこなえません。胃での消化ができないと、幽門が開かず小腸へ食べ物が流れないので、胃に食べ物が長く留まり、胃もたれの原因になります。
胃酸は胃に食べ物が入ってくると分泌されるので、食べるスピードが速すぎても消化が間に合わず、胃酸不足になります。※1
胃の形
胃の形は「牛角胃」「鉤状胃」「瀑状胃」の大きく3つに分けられます。日本人に多い「鉤胃」と呼ばれる形は、釣り針のように曲がった形をしており、胃の下の部分が食べ物の出口である幽門部より低い位置にあります。
そのため、胃の働きが悪くなると胃の下部に食べ物が残りやすく、胃もたれになりやすいのです。胃そのものが下垂している場合にも、同じように食べ物が溜まりやすく、胃もたれの原因となります。※2
その胃もたれ、病気かも?
症状が長引くようなら病院へ
一過性の胃もたれならば良いのですが、症状によっては何か病気が隠れているかもしれません。たかが胃もたれと軽く考えずに病院を受診しましょう。
食後の胃もたれ
食べた後に胃もたれする場合、最も考えられるのは食べ過ぎや飲み過ぎです。胃の筋肉がたるみ、動きが悪くなることで消化不良や胃弱にしてしまう「胃アトニー」と言われる状態かもしれません。
胃もたれだけでなく、胃が重い、食欲がない場合もあります。ほかに、むかむかする、嘔吐や下痢といった症状がみられることもあるので、気になる場合は迷わずに病院に行きましょう。※3
食前の胃もたれ
食事の前や空腹時に胃がもたれる場合は、胃炎や軽い胃潰瘍の可能性があります。もたれるだけでなく、軽い痛みや胸やけ等の症状があることもあります。 また、食前の胃もたれは単なる消化不良や胃の粘膜が荒れていることでも起こります。※3
胃がんや胃・十二指腸潰瘍・慢性胃炎
胃がすっきりしないとき、消化剤等、市販の薬を試すこともあるでしょう。しかし、薬を飲んでも症状が改善されず胃もたれの状態が続く場合には、十二指腸潰瘍や慢性胃炎、ひどい場合は胃がん等の病気が隠れているかもしれません。
胃がんの場合、胃の出口付近に腫瘍があれば、胃の内容物が通りにくくなって胃もたれを起こします。また十二指腸に潰瘍がある場合も、消化されたものが通りにくくなっているので、薬等では改善されないことがあります。
いずれにしても、胃もたれが1週間以上続いた場合には、早めに病院で検査を受けて原因をはっきりさせることが大切です。※4
機能性ディスペプシア
慢性的に胃もたれ等の不快症状があるにもかかわらず、検査をしても異常が見つからない状態を、機能性ディスペプシアと呼びます。
胃もたれだけでなく、胃痛、膨満感、胸やけ等の症状も見られます。胃の運動機能障害や胃の知覚過敏、さらには遺伝やピロリ菌等も原因と考えられています。長く症状が続くのであれば、消化器専門の病院を受診してみましょう。※5
胃もたれの予防法
胃もたれしないためにはどうすればよいのでしょうか。すぐにできる胃もたれ予防法を紹介します。
胃もたれを防ぐ習慣を
(1)食事はゆっくり、楽しみながら適量を食べる
食べ過ぎ、飲み過ぎは胃もたれの大きな原因です。暴飲暴食はせず、ゆっくりよく噛んで食事をしましょう。よく噛むことで、胃での消化を助けることにもなります。余裕を持ってゆったりと食事を楽しむことも大切です。
(2)消化の良いものを中心に食べる
揚げ物や焼肉等、脂っこいものは消化に時間がかかります。胃もたれが心配な時は肉や油物のメニューは避け、お粥やうどん等の穀類、魚介類なら白身魚、肉類なら脂の少ないささみ等の消化の良い食品を食べましょう。また、豆腐や卵、ヨーグルト等も消化しやすい食べ物です。 食材を小さく切り、煮込んでやわらかくする等、調理法でも消化をサポートできます。※6
(3)アルコールとタバコは控えめに
お酒の飲み過ぎは胃粘膜の血流が悪くなり、胃粘膜を荒らしたり、胃の蠕動運動を低下させたりします。タバコも同様に、胃の機能を低下させてしまうので、どちらも控えめにしておきましょう。
(4)ストレスを溜めない
ストレスによって自律神経のバランスが崩れてしまうと、胃の蠕動運動が悪くなり、胃もたれの原因となります。また極度のストレスで、胃酸過多になることもあるので、趣味等でストレスを発散しましょう。
胃もたれに良い飲み物・食べ物は?
胃もたれした時に良い飲み物や食べ物はあるのでしょうか?おすすめの飲み物・食べ物を紹介します。
食後のコーヒー
鉤胃や胃下垂で胃がもたれがちな方は、食後のコーヒーや紅茶、緑茶等の飲み物がおすすめです。カフェインの多い飲み物は、胃液の分泌を促してくれるので、胃の下部に溜まりやすい食べ物を、スムーズに小腸へ送り出してくれます。
ただし、濃いめのものを少量飲むようにしましょう。薄いカフェイン飲料をたくさん飲むと、胃がさらに下方へたるみ、逆効果になってしまいます。
コップ1杯のお水や白湯
胃がもたれた時には、コップ1杯のお水を飲んでみましょう。お水で胃酸が薄められ、胃もたれが軽くなる場合があります。お水は冷たいものより40℃程度の白湯がおすすめです。冷たいものは胃への刺激となり、働きが低下しますが、白湯なら胃腸の働きや消化力を高めてくれます。
胃もたれにならないように生活習慣を見直そう
身近な胃もたれですが、胃の働きや胃もたれの原因を知ることで、胃にやさしい習慣を作っていくことができます。お水や白湯を飲む習慣は、胃や腸にもやさしく健康や美容におすすめできる習慣です。
簡単に生活に取り入れられますので、ぜひ試してみてください。
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参考文献
- ※1 胃痛・胃もたれ(ヘルスケアララボ)
- ※2 胃の形は全員同じじゃない!(医療法人社団LYC)
- ※3 胃腸のケアは全身のケア(独立行政法人労働者健康安全機構 茨城産業保健総合支援センター)
- ※4 六訂版 家庭医学大全科(2010)
- ※5 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014(日本消化器病学会/2014)
- ※6 胃腸の調子が悪い時の食事(東京都病院経営本部)
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