妊娠中の運動は大丈夫? 妊娠初期や中期以降で変わったりするもの?

妊娠は約10か月にもわたるお腹の中で赤ちゃんを大切に育てる女性にとっての一大イベントです。
日々安静にすることを求められる妊娠期間中は、運動不足になりがちです。
適度な運動は妊娠中の諸症状の緩和やストレス解消はもちろんのこと、安産や産後の回復にもつながります。
ただ、妊娠中に動くのはちょっと怖い……どんな運動ならして良いの? と疑問を浮かべる方も多いのではと思います。そんな妊婦さんに運動がもたらすメリットを紹介します。
目次
運動がもたらすメリットとは

なぜ妊婦さんは運動をするといいのでしょうか。
妊娠中の適度な運動は健康維持・増進に寄与する可能性があるとされています。※1
1日に30分以上の有酸素運動を週に数回おこなうことで、次のようなメリットがあります。
しかし一つだけ注意点があります。 それぞれ妊婦さんによって体調や状況が異なります。 運動を始める前にはかかりつけのお医者さんに必ず相談するようにしてください。
悪阻(つわり)・むくみを緩和
体を動かすことにより全身の血流を促し、むくみを解消してくれます。 また、軽症の悪阻であれば、適度に筋肉が刺激されるので気分転換にもなり、悪阻が気になりにくくなるでしょう。
便秘・腰痛・肩こりの改善
胎児の成長によって便秘・腰痛・肩こり等の妊娠期特有のものは体を動かすことによって不快感の緩和が期待されています。※2
ストレス解消・リラックス効果
妊娠すると、胎盤が作られて胎児が育ってくるにつれて、身体にも変化が表れます。 それに伴ってホルモンが多く分泌されて自律神経が定まらないことが増えてきます。
運動をすることで「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。
このセロトニンはこういった不安な気持ちや不安定さに働きかけるリラックス効果があるのです。※3
妊娠中はストレスを感じやすくなりますので、適度に運動をしてリラックスできる環境を作っていきましょう。
運動と合わせておこないたい体重管理
気をつけていても、検診時に注意されてしまうことがある体重管理。
妊婦さんは座ったり横になったりことも多いです。 そのため、そのまま動かない状態が続くと筋肉が弱り衰え、体重増加にもつながりやすくなってしまうので、意識して運動することが大切です。
体重を減らすために運動をおこなうことが近道ですが、激しい運動は禁物です。 まずは体重管理を正しくおこないましょう。適正な体重を知る方法としてBMIを用います。
BMIとは
Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略称で肥満度を表す数値。
BMI = 体重(kg) ÷ (身長(m)× 身長(m)) で算出されます。
妊娠前のBMI | 体重増加の目安 |
---|---|
<18.5(やせ) | 9~12kg |
18.5~25(普通) | 7~12kg |
≧25(肥満) | 個別対応 |
妊娠中期から末期においては、1週間で300g~500gが推奨体重増加量とされています。 BMI≧25の方は基礎疾患の有無を含め、かかりつけの医師に必ず確認するようにしましょう。※4
また、体重管理をおこなうにあたり日々の記録をつけることが大切です。起床後や就寝前など決まった時間に体重を測るようにします。同時に、食事の記録をつけることで体重増加したときにわかりやすくなります。
周期別のオススメ運動

妊娠にはそれぞれ周期があります。 その周期ごとにオススメの運動や避けなければいけない運動をご紹介していきます。
妊娠初期(~15週目まで)
ウォーキング
妊娠初期は流産しやすいと聞いたことがあるかもしれませんが、それは染色体異常や子宮の代謝不良によるもので運動は大きく関係していないことが多いです。※5
とはいえ、妊娠初期に激しい運動は禁物。軽めのウォーキングがオススメです。
ウォーキングは歩くだけですので、気軽に始めることができます。 晴れた日に30分ほど近所を散歩するように心がけましょう。
注意すべき点としては、汗をかくことが目的ではないので、日中の日差しが強い時間帯は避けて、過ごしやすい朝方におこなうといいでしょう。
妊娠中~後期(16週以降)
マタニティスイミング
マタニティビクス
マタニティヨガ
母胎が安定してくる中期以降におこなうようにしてください。 早産や切迫流産の恐れがある場合は医師から許可がおりないこともあるので、必ず確認が必要です。
普段は重たい身体も水中では動きやすく、腰痛や肩こり等に効果的です。 水中を歩くだけでも効果がありますが、身体が冷えやすいため長時間入ることは控えましょう。
マタニティ+エアロビクスで、音楽に合わせてストレッチやエクササイズをおこないます。便秘や腰痛等でお悩みの方にはいいかもしれません。 有酸素運動の比率の大きいエクササイズが基本となるマタニティビクスですが、運動強度の高いエクササイズをおこなう場合は医師や専門の指導者の下で安全におこなうようにしてください。
妊娠初期~後期までおこなうことが可能です。 身体をゆっくり動かすことにより負担がかかりにくく、ヨガ独特の呼吸法がリラックス効果をもたらします。
しかし、高温多湿の環境下でおこなうホットヨガについては、汗をかくことが目的となるため身体への負担も高く、おすすめできません。
妊娠中に避けたい運動は?

捻りがある運動
相手と接触する運動
振動が強い運動
妊娠中の運動はご紹介してきたようにメリットも多くありますが、その反面で避けなければいけない運動もあります。
ゴルフや野球などお腹に負荷がかかり、体を捻る運動はよくありません。 ヨガのようにゆっくりとしたものは問題ありませんが、避けるようにしてください。
イメージしただけで良くないことがわかるかと思いますが、ぶつかる運動はよくありません。サッカーやバスケットなど人と接触する運動は避けてください。ぶつかって転倒してしまう恐れもあります。
ジャンプをする縄跳びや振動が伝わりやすい自転車も避けるようにしましょう。 さきほどお話したように転倒する恐れもあるので、母胎ともに注意する必要があります。
運動前後の注意とケアが大切
基本的には水分補給をおこなうことが重要です。妊婦さんは非妊娠時に比べて多くの水分を摂取する必要があります。 他にも水分摂取の理由は様々ありますが、詳しくは「妊婦さんが気をつけるべき食事って? おすすめの食べ物紹介!」をご覧ください。
むくみを気にしてお水を控える人がいるかと思いますが、かえって逆効果となってしまいます。運動をおこなう際はいつもよりこまめに水分補給を心がけてください。また、お水を飲んでむくみが起きる場合は他に原因がある可能性がありますので、必ず医師へ相談するようにしてください。※6
運動する前には準備を!
準備運動はもちろんですが、何かあったときに連絡をとるための携帯電話や母子手帳、病院の診察券や病院に向かうためのタクシー代も忘れずに準備しましょう。
運動中は、少しでも疲れを感じたら休憩をとるようにして、無理に運動をしないようにしましょう。休憩しても何か体調が優れないと感じた場合は、運動をやめ帰宅して安静にしてください。
運動後のケアも十分に
クールダウンを必ずおこなってください。 急に運動をやめてしまうと血液の流れが悪くなってしまうので、気をつけましょう。 それが原因でめまいや心拍数の増加を引き起こす可能性があります。
運動後に腹部の違和感がある場合は、医師に運動を続けて良いか必ず相談してください。
妊娠中だからといって運動は怠らずに!

上記のように、妊婦さんの運動は多くのメリットをもたらします。 母胎共に健康を維持できるように習慣化しましょう。そのときには必ずウォーミングアップ、クールダウンを忘れず、水分補給もしっかり取りましょう。 妊婦さんの水分補給の重要性について詳しくは「妊婦さんが気をつけるべき食事って? おすすめの食べ物紹介!」をご覧ください。
周期によってNGな運動もありますので、必ずお医者さんに相談するようにしてくださいね。
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参考文献
- ※1 産婦人科診療ガイドライン-産科編2017(一般社団法人 日本マタニティフィットネス協会)
- ※2 マタニティーエクササイズ(厚生労働省)
- ※3 セロトニン(厚生労働省)
- ※4 「妊娠期の至適体重増加チャート」作成の背景(厚生労働省)
- ※5 流産・切迫流産(公益財団法人 日本産婦人科学会)
- ※6 ゼロから理解する水の基本(監修千賀裕太郎/2013年)