【鰹節のだし】水だし・基本のだしの取り方や種類・特徴を紹介
日本人の食文化を支えている「だし(出汁)」は、毎日の食事づくりに欠かせないものです。だしが上手に取れると、料理や食事が楽しくなりますよね。
だしは和食の基本中の基本ともいえるので、よく使われるだしの種類や取り方について知っておきましょう。さらに、時間がないときや面倒なときに活用できる水だしの取り方についても解説します。
目次
- 1.これなら簡単! 使いやすい「水だし」の取り方!
- 1-1.鰹節だしの特徴・用途
- 1-2.昆布だしの特徴・用途
- 1-3.煮干し(いりこ)だしの特徴・用途
- 1-4.椎茸だしの特徴・用途
- 1-5.合わせだしの特徴・用途
- 2.鰹節のだしの取り方
- 2-1.基本を押さえておいしく!鰹節のだしの取り方
- 2-2.簡単便利!水だしを常備しよう
- 2-3.電子レンジで簡単にだしを取ってみよう
- 2-4.保存は3~5日を目安に
- 3.おすすめ!だし×調味料で簡単味変!
- 3-1.鰹節だし×キムチ
- 3-2.昆布だし×醤油×酒
- 3-3.干し椎茸だし×西京みそ×塩
- 4.お水の硬度で料理の味が変わる!
- 4-1.だしは軟水で取るのがおすすめ
- 4-2.天然水の硬度は料理文化にも影響している
- 5.おいしいお水でおいしいだしを取ろう
だしの種類や特徴・用途を知っておこう
だしは普段から何気なく口にしているものですが、何を使って取るかによって風味が違います。合う料理も変わってくるので、まずはだしの種類と特徴について知っておきましょう。身近な4種類のだしについて紹介します。
鰹節だしの特徴・用途
鰹節で取る「鰹節だし」は、様々な和食の土台となるもので、日本人にとって一番身近なだしです。鰹節には「枯節」と「荒節」の2種類があり、どちらも香り豊かですが、枯節の方がうま味を強く感じるのに対し、荒節はより本来の魚に近いコクが出ます。※1
鰹節だしは、だしそのものが主役になるような「茶碗蒸し」や「すまし汁」、「お吸い物」といった料理に向いています。また、取り方の違いにより「一番だし」と「二番だし」があります。
鰹節の一番だしと二番だしの違いや用途
「一番だし」とは、鰹節を使って最初に取るだしのことです。透明感のある黄金色で香り高く、豊かな風味があるのが特徴で、一般的にだしといえば一番だしのことを指します。お吸い物やすまし汁等に使われるのが一番だしです。
「二番だし」は一番だしを取ったあとのだしがらを使って取るだしで、香りは落ちるものの、鰹節に残っていたうまみが出ます。二番だしは、炊き込みご飯や煮物と相性が良いので活用してみてください。
昆布だしの特徴・用途
昆布で取る「昆布だし」は、鰹節だしと同じく日本料理に欠かせない存在です。昆布だしは控えめなうま味成分が豊富で、上品な味わいが特徴といえるでしょう。国内産昆布の約90%は北海道産ですが、時期や産地によって風味が異なるのが特徴です。※2
昆布だしは、肉や魚等の動物性の食材を使わずに調理する「精進料理」には特に欠かせません。野菜の味を引き立たせてくれる役割を担っています。※3
そのほか「鍋料理」や「おでん」等、様々な料理によく合います。
ただし、煮すぎると昆布の粘りが出てしまうので注意が必要です。
煮干し(いりこ)だしの特徴・用途
「いりこだし」とは煮干し(いりこ)を使って取るだしのことです。
煮干しの材料には、カタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシ、マアジ等の魚が使われます。だしを取る前に頭とはらわたを取っておくとスッキリとした味わいになり、そのまま使うと魚の風味が強い味わいになります。
味わいは魚らしいコクを持ちながらも、ほかの調味料とも相性が良く、ラーメンのスープとしても人気です。家庭料理では「味噌汁」をはじめ、「麺類のつゆ」や「煮物」等に向いています。
椎茸だしの特徴・用途
干し椎茸でとる「椎茸だし」は、独特の甘みと香りが特徴で、一般的には昆布だしや鰹節だしと合わせて使います。干し椎茸はまずお水で戻して使いますが、このとき高い水温で戻してしまうと苦味が出てしまうことがあり、注意が必要です。水温が高くなりがちな夏場は、冷蔵庫の中に入れて戻すと良いでしょう。
椎茸だしは「鍋料理」をはじめ、「煮物」や「雑煮」「茶碗蒸し」等に向いています。また「そばつゆ」に入れてもおいしさが楽しめます。
合わせだしの特徴・用途
「合わせだし」とは基本的に、鰹節と昆布の両方を使って取るだしのことです。風味が異なる2種類のだしを合わせることで相乗効果が生まれ、お互いのうま味が引き立ち、より風味の強いだしになります。
合わせだしは「お吸いもの」や「味噌汁」といった汁物料理をはじめ、「麺類」「煮物」等の幅広いメニューに使えます。食材や調理方法を選ばず、どんな料理にも合うだしといっても過言ではありません。
鰹節のだしの取り方
だしをおいしく取るためには、基本を抑えておくことが大切です。まずは家庭でよく使う鰹節だしについて、基本的な取り方をおさらいしておきましょう。それに加えて、簡単な水だしの方法についてもご紹介します。だしを取るのが面倒なときや、料理の手間を省きたいときに活用してみてください。
基本を押さえておいしく!鰹節のだしの取り方
まずは全ての基本となる鰹節の「一番だし」の取り方を解説します。材料はお水(1ℓ)と鰹節(30g)のみです。
- 鍋にお水を入れてコンロにかけ沸騰させる
- 沸騰したら火を止め、鰹節を全て投入する
- 鰹節を箸で軽くほぐす(かき混ぜない)
- 鍋の底に沈むまで1~2分待つ
- 待つ間にボウルの上にザルを載せ、その上にキッチンペーパーや布を敷いておく
- 鍋の中身をボウルにゆっくりと注いでこす
だしを取り終わったあとに、だしがらを絞らないようにしましょう。えぐみが出て風味が悪くなってしまいます。
「二番だし」を取るときは、一番だしを取ったときに出る「だしがら」を使います。だしがら30gに対し、お水(500 mℓ)と鰹節を(5g)を準備してください。新たに加える鰹節のことを「追い鰹」といいます。
- 鍋にお水とだしがらを入れてコンロにかける
- 沸騰したら火を弱め、3分から5分ほど煮る
- 火を止めて鰹節を加え、そのまま1~2分待つ
- 待つ間にボウルの上にザルを載せ、その上にキッチンペーパーや布を敷いておく
- 鍋の中身をボウルにゆっくりと注いでこす
- だしがらを軽く絞る
簡単便利!水だしを常備しよう
きちんとだしを取るとおいしい料理が作れると分かっていても、忙しいときや時間がないときは面倒に感じてしまうこともあります。そんなときは、火を使わずにだしが取れる「水だし」を活用しましょう。
作り方はいたってシンプルで、お水の中に材料を投入し、冷蔵庫で一晩寝かせるだけ。麦茶ボトルのような、注げるタイプの容器で作るとより便利です。
鰹節・煮干し・昆布等、どんな材料でも作れますが、昆布はそのまま入れるだけなので簡単です。鰹節や煮干しは崩れてカスが出る場合があり、そのまま食べても問題ないものの、気になる方はあらかじめお茶パックに入れておきましょう。カスが出づらくなり、扱いやすくなります。
水出しは簡単に作れるので、冷蔵庫に常備しておくと何かと便利です。ただし、材料を入れっぱなしにせず、投入して1日経つ前にいったん取り出してください。
電子レンジで簡単にだしを取ってみよう
鰹節と昆布の「合わせだし」は煮出して取ると手間と時間がかかりますが、電子レンジを使うと簡単に作ることができます。
- お水(500mL)に鰹節(10g)と昆布(10g)を入れる
- 600wの電子レンジで約5分加熱する
- 2分程度冷ましてからこす
電子レンジで調理する際も煮出すときと同じく、だしがらを絞るのは禁物です。
保存は3~5日を目安に
水だしや電子レンジで作っただしは、できるだけ3~5日以内に使い切るようにしましょう。冷蔵での保存の限度は、長くとも1週間程度です。
長期保存したいときは、冷凍庫で凍らせることで1か月程度はキープできます。凍らせるのであれば、ペットボトルや製氷皿に小分けして保存しておくと便利です。
おすすめ!だし×調味料で簡単味変!
だしを使った料理は様々ありますが、一般的なもの以外に「こんな料理にも使えるの!?」という意外なだし×調味料の組み合わせを紹介します。※1
鰹節だし×キムチ
キムチには漬け込む際に魚介類も加えるため、味の濃いかつおだしと混ぜ合わせても負けずに、双方のおいしさを引き出すことができます。米を炊くときに、お水の代わりにだしとキムチを入れるだけで、いつもとは違う風味と味になってごはんが進むかもしれません。
昆布だし×醤油×酒
普通の唐揚げを作るとき、醤油やお塩等のいつもの下味に昆布だしをプラスすることで、うま味がお肉に染みこんでおいしさがアップします。
干し椎茸だし×西京みそ×塩
椎茸と西京みその組み合わせただしは他のキノコ類と も相性が良く、互いのうまみを高めます。そして面白いのが、だしを使っているのにどちらかというと洋風の味わいになるところです。クリーム系のスープにするのがおすすめです。
お水の硬度で料理の味が変わる!
お水には、ミネラル成分が豊富で硬度の高い「硬水」と、ミネラル成分が少なく硬度の低い「軟水」があります。硬水と軟水では飲んだときの口当たりが違いますが、料理の味にも影響を与えます。お水の硬度と料理の関係について知っておきましょう。
だしは軟水で取るのがおすすめ
だしを取るのに理想的なお水は、硬度25~30程度の「軟水」です。お水の中のミネラル成分が多すぎない方が、素材のうま味を引き出せます。※1
日本のお水の硬度はほとんどが硬度100以下の軟水なので、普通に暮らしていれば軟水でだしを取っていることになります。和食の基本は「引き算」だと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。素材の雑味をお水で引きつつ、素材そのものの味を活かすだしは、その原点といえるものです。
天然水の硬度は料理文化にも影響している
軟水の天然水が多い日本では、「煮る」「炊く」といった和食の調理法が発展しています。さらに日本国内でも多少の違いがあり、関東の天然水は軟水の中でも比較的硬度が高く、お米を炊くとカルシウムとマグネシウムの影響で硬めに炊きあがります。シャリの一粒ずつが立ち、口に入れたときにほろりとするのが特徴です。
一方で関西の天然水はカルシウムとマグネシウムが少なく、お米が柔らかくなります。押し寿司が有名なのはこのためです。※4
さらに硬水の天然水が多いヨーロッパでは、日本のようにうま味を煮出す調理法ではなく、「焼く」「炒める」等、食材に含まれている水分で料理をすることが発展してきました。お米を使った料理も、日本のように炊くのではなく炒めます。
おいしいお水でおいしいだしを取ろう
鰹節や昆布で取るだしは、日本の食卓にかかせないものです。きちんと取っただしはうま味が豊富で、料理するときに使う調味料の量を減らせるため、減塩にも役立ちます。※5
プレミアムウォーターのお水は味にこだわった軟水の天然水で、だしを取るのに最適です。水分補給だけでなく、調理にも活用してみてください。
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参考文献
- ※1 だしと味付けの便利帳(晋遊社/2018年)
- ※2 漁業生産 1漁業生産量と生産額(農林水産省・北海道農政事務所)
- ※3 日本が誇るだし文化(特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター)
- ※4 ゼロから理解する水の基本(監修・千賀裕太郎/2013年)
- ※5 よくあるご質問 栄養成分について(日本うま味調味料協会)
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