「PFAS(ピーファス)」とは?有機フッ素化合物との違いは?健康への影響等もまとめて紹介
水道水の安全性について調べていると、「有機フッ素化合物」や「PFAS(ピーファス)」といった言葉を目にすることがあります。「水道水に有機フッ素化合物が含まれているのでは?」「PFASが含まれたお水を飲んでしまうとどうなるの?」といった不安を感じている方もいるでしょう。
この記事では、有機フッ素化合物とはどのようなものなのか、使われている製品や健康への影響等を解説します。おすすめの対策も紹介しているので、有機フッ素化合物について気になる方はぜひチェックしてみてください。
目次
有機フッ素化合物「PFAS」と「PFOS」・「PFOA」との違いについて
早速ですが、有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
有機フッ素化合物とは
有機フッ素化合物とは、構造式の中に炭素とフッ素の結合を含む有機化合物の総称のことを指します。
人工的に作られた物質で、構造が安定しているため、通常の環境中では分解されにくく、蓄積性が高いという特徴があります。※1
2018年時点で経済協力開発機構(OECD)から有機フッ素化合物に該当する物質は約4,700件であると報告されました。しかし、2021年に改訂、その際には具体的なPFASの対象物質の一覧は示されず、「少なくとも1つの完全にフッ素化されたメチル又はメチレン基(フッ素が結合している炭素原子にH、Cl、Br、I 原子が結合していないもの)を含むフッ素化物質」と再定義されました。※2
このPFASの今後の管理やあり方については、それぞれの機関によって議論が続いています。
「PFAS(ピーファス)」とは
PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物の中でも「ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物」の総称です。PFASの中でも、PFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)は既に使用や製造が国際的に規制されています。※1
・PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
…アメリカで開発された界面活性剤(お水や油をはじく性質)で、はっ水剤や消火剤等に幅広く使用されてきた物質※3
・PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
…こちらも耐熱性に優れ、界面活性剤(お水や油をはじく性質)があるため、フライパンのテフロン加工や食品包装紙の撥水加工等に利用された物質※3
有機フッ素化合物の製品・用途
有機フッ素化合物はお水や油をはじき、熱や薬品に強いという性質があるため、はっ水剤や消火剤、コーティング剤等の用途として以前は私たちの身の周りのものに多く使われていました。※4
有機フッ素化合物が使われている製品には、以下のようなものがあります。
PFOS
- 半導体
- 液晶ディスプレイ
- 金属メッキ
- 泡消火薬剤 等
PFOA
- 繊維
- 電子基板
- 自動車
- 食品包装紙
- 石材
- フローリング
- 皮革
- 防護服 等※2
このように様々な製品に使用されてきた有機フッ素化合物(PFAS)ですが、近年は有害性が指摘されたことによって管理のあり方が国際的に議論されています。
問題となっているのは有機フッ素化合物のうち、代表的なPFOSとPFOA、この2つの代替品として利用されていたPFHxSについては、国際条約で製造・使用・輸入が禁止されていて、日本もこの条約に同意しています。
フッ素樹脂コーティングのフライパンは使っても問題はない?
フッ素樹脂コーティングのフライパンをお使いの方も多いかと思いますが、結論からいうと安全性に問題はありません。
かつてはフッ素樹脂の製造過程でPFOAが使われていましたが、一般社団法人日本弗素樹脂工業会によると、2015年までに主要フッ素樹脂の各製造会社は自主的に完了対応をおこなっており、現在は使用されていません。2015年以前に製造されたフライパンも、製造過程で使用されているだけで製品自体にPFOAが含まれているわけではないため、心配しなくても大丈夫です。※4
水道水における有機フッ素化合物の問題は?
PFOS及びPFOAは、一部の地域の河川水や地下水で検出されていて、近隣で井戸水を使用する方には注意喚起がなされています。※4
有機フッ素化合物は安定性が高い物質で、環境中に排出されたあともほとんど分解されません。そのため、永遠の化学物質という意味で「フォーエバーケミカル」とも呼ばれています。過去に使用されて環境中に排出された有機フッ素化合物が土壌に残り、河川や地下水に溶け出していると考えられています。※4
有機フッ素化合物「PFAS」の健康への影響
有機フッ素化合物は国際的に廃絶の対象となっていて、健康への影響を心配している方も多いでしょう。ここでは、有機フッ素化合物「PFAS」の毒性や水道水の安全性について解説します。
毒性はあるの?
有機フッ素化合物は国際的に規制の対象となっていますが、毒性についてはまだデータが不十分です。発がん性や甲状腺異常等の可能性が報告されているものの、現状確実なデータはありません。
ただし、PFOAについては皮膚に付着すると発赤や痛みが出ることや、経口摂取すると腹痛・吐き気・嘔吐を生じることが報告されています。
有機フッ素化合物(PFAS)の毒性や基準値については、各国が引き続き情報収集をしながら、検出状況の把握も進めています。環境中で分解されにくく蓄積性が高い物質で、環境残留性や長期毒性の疑い等から規制されているため、毒性や健康リスクがゼロであるとはいえません。※4
PFASの基準値は?水道水は平気なの?
水道水における有機フッ素化合物については、科学的な知見の収集が現在も継続中のため、国によって対応が異なります。日本では、2020年4月1日に「水道管理目標設定項目」が設けられ、PFOS・PFOAの暫定目標値が設定されました。
ここで定められた暫定目標値は、「PFOS及びPFOAの量の和として50 ng/L以下」です。これは、体重50kgの人間が1日2Lのお水を生涯にわたって摂取したとしても健康に害がないとされる値です。※5
なお、ng/Lとは、お水1Lあたりに10億分の1gの物質が溶解している状態を表しています。
世界と日本の動き
世界各国でもPFASに対する規制が進んでいます。例えば、アメリカでは環境保護庁(EPA)がPFOSとPFOAの基準値を設定し、各州でこれに基づいた法規制が整備されています。また、欧州連合(EU)ではREACH規制により、特定のPFASの使用が禁止されており、さらに新たな化合物に対する規制も検討されています。※2
日本では、厚生労働省が水道水中のPFOSとPFOAの基準値を定め、各自治体で定期的な水質検査が実施されています。さらに、製品に含まれる有害化学物質の管理も強化されています。こうした動きにより、国際的な協力が進み、PFASのリスクを最小限に抑えるための取り組みが広がっています。各国が協力し、より安全な環境を作り上げるための規制強化が求められています。※6
東京・多摩地方の水道水
2023年6月、東京・多摩地方の水道水から有機フッ素化合物が検出されていると報道がありました。一方、東京都および多摩市は現状として、これまでの検査結果では国の水質管理の暫定目標値を下回っていて、健康に影響を与える状況ではないと発表しました。※7
有機フッ素化合物「PFAS」への水質基準の対策方法
水道水には、有機フッ素化合物の暫定目標値が設定されていて、水質検査もおこなわれているため、基本的に安全性に問題はありません。しかし、「どうしても水道水中のPFASが気になる」という方もいるでしょう。
ここではおすすめの対策を2つ紹介するので、参考にしてみてください。
①浄水器や浄水型ウォーターサーバーを利用する
手軽にできる対策は、浄水器や浄水型ウォーターサーバーの利用です。一言で浄水器といってもポット型から据え置き型、工事が必要な水道直結型まで多種多様で、自分に合ったものを選べます。
どちらもカートリッジで水道水をろ過するため、定期的なカートリッジの交換は必要となります。水道水から不純物を取り除きたい方は、このような浄水器や浄水型ウォーターサーバーの導入を検討してみてください。ただし、有機フッ素化合物「PFAS」が除去できる機種であるのか等の事前確認はしっかりとおこないましょう。
②ウォーターサーバーのお水を利用する
一番のおすすめは、宅配水型のウォーターサーバーを利用することです。
プレミアムウォーターは天然水にこだわりを持っているので、定期的な水質検査をおこない有機フッ素化合物の含まれてないお水のボトルを配送しているので安心して利用できます。
水道水の味やにおいが気になるという方にもおすすめです。お水ボトルが定期的に配送されてくるので、わざわざスーパーやコンビニに行き、重いお水を運ぶ手間もかかりません。現在、数値上では健康被害がないとされているものの、より安心安全なお水を飲みたいという方はウォーターサーバーを導入してみてはいかがでしょうか。
PFAS(ピーファス)対策にはプレミアムウォーター!
ウォーターサーバーを導入するなら、プレミアムウォーターがおすすめです。安全な地下水脈から直接原水をくみ上げていて、4段階以上のフィルターで丁寧に除菌する等、安全性にこだわっているのが特徴です。有機フッ素化合物が含まれていない、安全・安心なお水を全国のお客様のご自宅へお届けします。
また、お水ボトルを回収せず毎回新品のペットボトルを使用しているので、ボトルの衛生面も安心です。ウォーターサーバー本体は、飲んだ分お水ボトルが収縮し、外からの空気が入りにくい構造になっているので、ウォーターサーバー内も衛生的に清潔を保ちます。
プレミアムウォーターではこのようにお水の安心安全を徹底的にこだわっているので、ぜひ試してみてください。
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参考文献
- ※1 有機フッ素化合物(PFAS)について(北海道)
- ※2 PFOS、PFOA以外のPFASに係る国際動向(環境省)
- ※3 食品中のPFASに関する情報(農林水産省)
- ※4 有機フッ素化合物に関するQ&A(神奈川県)
- ※5 1 水道水の規制状況はどうなっていますか(東京都保健医療局)
- ※6 PFOS及びPFOA等に関する検討について(水道関係)(厚生労働省)
- ※7 水道水における有機フッ素化合物について(東京都水道局)
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