正しい紅茶の入れ方とは? 紅茶の基本を知って紅茶の世界を楽しもう!

アッサムやダージリンの産地であるインド。セイロンティーとして名高いスリランカ。 そして紅茶文化の本場イギリス。
これらの地域のお水は一般的には硬水です。日本のお水は基本的に軟水です。
お水の硬度が違うことで、普段私たちが飲んでいる紅茶って本場のそれとなにが違うのでしょうか?
今回は、紅茶の種類や正しい紅茶の入れ方等、基本となる紅茶の世界を紹介します。
主な紅茶の種類とは

紅茶は原料となる「チャノキ」から作られ、主に中国種とインド種に分かれています。より紅茶に向いているのはインド種とされていますが、中国種の茶葉でも紅茶は作られています。
中国で誕生し海をわたった紅茶は、ヨーロッパを中心に400年以上世界中で愛されてきました。
同じ茶葉でも収穫する季節によって味が異なる
技術の進歩によって、通年で紅茶を楽しめることが多くなりましたが、他の果物や野菜と同じように、茶葉も旬があります。
旬のことを、スリランカではクオリティーシーズン、インドではファーストフラッシュ(春摘み)、セカンドフラッシュ(夏摘み)等と呼ばれます。それぞれの産地によって、紅茶の個性(香りや味わい等)の良さが揃うタイミングが異なるので、それぞれの茶葉の旬を楽しんでみましょう。
そんな紅茶の種類は、全てを紹介しきれないほどの数がありますので、ここでは代表的な紅茶の種類(産地)を紹介します。
代表的な紅茶を紹介
紅茶の名前は、おおよそ産地の名前からとられているのが基本です。最近では産地ごとにも茶園が明記されることも多くなっています。
ダージリン(インド)
高級品として有名な茶葉で、世界三大銘茶のひとつ。
その中でもダージリンは「紅茶の王者」や「紅茶のシャンパン」とも称されています。
アレンジはせず、ストレートで楽しむのがおすすめの飲み方です。
旬:3~4月ファーストフラッシュ、5~6月セカンドフラッシュ、10~11月オータムナル
アッサム(インド)
世界有数の雨量の多い土地であり、世界最大の紅茶産地です。
アッサムで育った茶葉は、独特の渋みやコクを感じさせ、芳醇な香りをもっています。味わいが濃いため、特にミルクティー向きの種類です。
旬:2月下旬~3月ファーストフラッシュ、4月~6月セカンドフラッシュ、9~11月オータムナル
ウバ(スリランカ)
世界三大紅茶のひとつに数えられているウバ。標高約1,220m以上の製茶工場で生産される紅茶で、セイロンティーの中でも高級品にランクされています。
立地条件によって、バラやスズランの花香の甘い刺激的な「ウバフレーバー」がつくり出され、特に人気が高いです。爽快な渋み、明るい真紅色の水色も特徴です。ストレートがよいとされていますが、濃いめのミルクティーもおすすめです。
旬:7~8月
キーマン(中国)
最後に世界三大紅茶のひとつとして数えられているキーマン(祁門)。
(キームンや、キーモン等、他の呼び方も多数あります。)
中国で生産されるこの種類は、古典的な紅茶が感じられるのが特徴です。葉の色は黒いのですが、澄んだ明るい水色で、ストレートでもミルクティーでもおいしく楽しめます。
旬:3~4月
フレーバーティー
有名なアールグレイも、実はフレーバーティーに分類されます。
生産過程で、ベルガモットという柑橘フルーツの香りづけをおこなっています。
ストレートティーはもちろん、ミルクティーやラテとして楽しめます。
旬:種類によって異なる
もちろんこれ以外にも、種類(産地)は多く存在します。風土や気候によって個性が異なっているので、茶葉専門店に足を運んだり、インターネットでも購入できたりするので気軽に調べてみるのも楽しいかもしれません。
実は茶葉にも等級(リーフグレード)がある!

日本茶には一番茶、二番茶等のその年の新芽を摘み採る順番によって呼び方が変わり、日本茶の等級が異なります。
紅茶にも等級は存在しますが、品質についてのものではありません。 紅茶の等級とは、仕上げの工程でふるいにかけ、茶葉の形状や大きさによって分けられたものであって、品質の良し悪しは関係なく区分されています。
紅茶の等級(リーフグレード)とは
OP(オレンジ・ペコー)
形がほぼそのまま残っていて、橙黄色の芯芽を含みます。抽出した水色は明るく薄いものが多く、香味が強いのが特徴です。
P(ペコー)
葉は太めでよく揉まれたものを呼びます。OPよりも短く、針金状ではなく、芯芽はあまり含まれません。
BP(ブロークン・ペコー)
BOPよりややサイズは大きく、芯芽をふくまず形も扁平なものが多く中級品とされることが多いです。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
需要が最も多いです。葉のサイズが小さく、もっとも多く芯芽を含み、よく揉まれています。 水色も濃く、香りも強いものが多いです。
BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス)
BOPよりも小型で、濃く早く抽出されます。ブレンドに多用される上級品とされます。
F(ファニングス)
扁平で小さなサイズですが、ダストよりもやや大きいのが特徴です。
D(ダスト)
最も小さい茶葉とされるものを呼びます。「ダスト」という名称ですが、低級品ということではありません。
CTC製法について

CTC製法とは、Crush, Tear and Curl(押しつぶし、引きちぎり、丸める)の略で、専用の機械で加工されて主にティーバッグに使われます。
上記の等級の位置づけとは異なり、加工された茶葉は短時間でしっかりと抽出でき、忙しい現代人のニーズに合わせた新しい製法です。今では世界中の産地でも採用されている製法で、濃いストレートを楽しみたい人や、コクのあるミルクティーが好きな人におすすめの製法です。
水によって香りと味が変わる?

日本酒でもコーヒーでも、どんな飲み物も原料となるお水の影響力は大きいです。
紅茶でも、茶葉と同様にお水の存在は無視できない存在です。紅茶大国のヨーロッパでは、おおむね硬水で、日本では軟水がほとんどです。
同じ茶葉を使ったとしても、硬水と軟水ではできあがりに差異が生じてきます。
どのように違いが出るのかというと、硬水で飲む紅茶は、お茶の水色が黒っぽくなり渋みや香りがマイルドになります。軟水で飲む紅茶は、お茶の水色が薄くタンニンの渋みが素材本来のまま出ます。
自身の好みによってお水を使い分けるのがベストですが、イギリスでは、2003年6月24日、英国王立化学協会によって「紅茶のおいしい入れ方」を10か条にまとめ、提言されました。
その際にアンドリュー・スティープリー博士が検証にあたり、用意するものとして提言されたお水は軟水とされています。※
正しい紅茶の入れ方は、この後で詳しく紹介します。
必見!英国王立化学協会によるおいしい紅茶の入れ方!

~用意するもの~
- 茶葉
- 軟水
- やかん
- ポット、カップ
- 茶こし
- ティースプーン
- 電子レンジ
- ミルク(お好みで)
- 砂糖(お好みで)
~手順~
- やかんに新鮮な軟水を注ぎ、火にかけ、沸かす。
- ポットの4分の1までお水を入れ、電子レンジで加熱しポットを温める。
- 加熱したポットのお水を捨てる。
- カップ一杯あたりティースプーン1杯の茶葉を入れる。
- 沸かしたやかんのお湯を茶葉の入ったポットに注ぎ入れる。
- 3分間蒸らす。(茶葉によっては異なる)
- カップはお好みで、理想は大きめのマグカップが理想。
- ミルクを入れる場合は、先にカップにミルクを注ぎ、茶こしを使って紅茶を注ぐ。
- おいしそうな色合いを目指して入れる。
- 砂糖はお好みでいれる。
- 紅茶の飲み頃は60~65℃で、熱すぎるのはお茶を啜る音を立ててしまうので良くない。
以上が紅茶を入れるために用意するものと、紅茶を入れる手順になります。※
しかし、手順が多く、なかなかこの通りの入れ方は難しいですよね。 そんなときには、ウォーターサーバーを使って手間を省いてみるのはどうでしょう。
プレミアムウォーターのお水は、溶存酸素を減らさない非加熱処理の軟水です。スリムサーバーⅢだと、温水も約85℃がいつでも利用できるので沸かす手間等が省けて時間を有効的に使えます。
今回、紅茶の種類や紅茶の入れ方等、紅茶の基本について紹介いたしました。
11月1日には日本紅茶協会が定めた紅茶の日がありますので、自身のお気に入りの紅茶を見つけて、楽しんでみてはいがかでしょうか。
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参考文献
- ※ 紅茶の教科書(磯淵猛/2012)