正しい紅茶の入れ方とは? 紅茶の基本を知って紅茶の世界を楽しもう!
アッサムやダージリンの産地であるインド。セイロンティーとして名高いスリランカ。 そして紅茶文化の本場イギリス。
これらの地域のお水は一般的には硬水です。一方で日本のお水は基本的に軟水です。お水の硬度が違うことで、普段私たちが飲んでいるのは本場の紅茶となにが違うのでしょうか?
今回は、紅茶の種類や正しい紅茶の入れ方等、基本となる紅茶の世界を紹介します。
目次
必見!英国王立化学協会によるおいしい紅茶の入れ方!
リーフティーのおいしい入れ方
~用意するもの~
- 茶葉
- 軟水
- やかん
- ポット、カップ
- 茶こし
- ティースプーン
- 電子レンジ
- ミルク(お好みで)
- 砂糖(お好みで)
~手順~
- やかんに新鮮な軟水を注ぎ、火にかけ、沸かす。
- ポットの4分の1までお水を入れ、電子レンジで加熱しポットを温める。
- 加熱したポットのお水を捨てる。
- カップ1杯あたりティースプーン1杯の茶葉を入れる。
- 沸かしたやかんのお湯を茶葉の入ったポットに注ぎ入れる。
- 3分間蒸らす。(茶葉によっては異なる)
- カップはお好みで、理想は大きめのマグカップが理想。
- ミルクを入れる場合は、先にカップにミルクを注ぎ、茶こしを使って紅茶を注ぐ。
- おいしそうな色合いを目指して入れる。
- 砂糖はお好みでいれる。
- 紅茶の飲み頃は60~65℃で、熱すぎるのはお茶を啜る音を立ててしまうので良くない。
ティーバッグのおいしい入れ方
~用意するもの~
- ティーバッグ
- 軟水
- やかん
- カップ
- 受け皿/小皿
- ティースプーン(必要に応じて)
- ミルク(お好みで)
- 砂糖(お好みで)
~手順~
- あらかじめお湯を沸かし、カップに注いで温めておく。
※水道水を沸かしたお湯やポットのお湯でも可 - やかんに新鮮な軟水を注ぎ、火にかけ、沸かす。
- 受け皿や小皿にティーバッグを出しておく。
- 沸かしたお湯をカップの8~9分目まで注ぐ。
- ティーバッグを沈め、浮かんできたら受け皿でふたをして蒸らす。
- 約2分抽出したら、振り動かさずに静かに引き上げる。※1
ティーバッグの素材や形
茶葉よりも手軽に紅茶を入れられるティーバッグは、バッグの形状や素材によって特徴が異なるのをご存じですか?紅茶の入れ方にこだわりたい方は、ぜひティーバッグの種類にも目を向けてみてください。
▼ティーバッグの素材の種類- 紙製
…コストが低いため手ごろな価格の紅茶や大容量の紅茶に使われます。 - 不織布製
…目が細かいため、茶葉が小さな場合に使われます。 - ナイロンメッシュ製
…抽出性が高く、大小様々な茶葉に使われています。 - ガーゼ製
…元祖ティーバッグ素材がこちら。ティーバッグ素材のニオイ移りが少なく、茶葉本来の味を楽しめます。※1
- エンベロープ型(長方形)
昔ながらのなじみある形状です。茶葉がお湯の中で上下(ジャンピング)するスペースが少ないため、抽出性は低いというデメリットがあります。 - ピラミッド型
三角形のピラミッド型をしたティーバッグは、ジャンピングできるスペースが広く、抽出性に優れるという特徴があります。ポットで入れたような紅茶の味を楽しみたい方は、ピラミッド型にこだわってみてはいかがでしょうか。 - 巾着型
ガーゼ製のティーバッグは、巾着型が多く採用されています。エンベロープ型同様、ジャンピングスペースは広くないため、抽出性は高くありません。※1 - 味の異なる2種類のティーバッグ
- ティーポット
- カップ
- ティースプーン(必要に応じて)
- ミルク(お好みで)
- 砂糖(お好みで)
- あらかじめお湯を沸かし、ティーポットに注いで温めておく。
※水道水を沸かしたお湯やポットのお湯でも可 - やかんに新鮮な軟水を注ぎ、火にかけ、沸かす。
- 沸かしたお湯をティーポットに注ぐ。
- ティーバッグを沈め、浮かんできたら受け皿でふたをして蒸らす。
- 約2~3分抽出したら、振り動かさずに静かに引き上げる。※
- ※2022年5月2日時点で掲載している商品です。
- ※1 紅茶の教科書(磯淵猛/2012)
- ※2 中国茶および薬膳スープの抗酸化活性についての研究(白井睦子/2009)
簡単ブレンドティーを楽しもう
ティーバッグ式の紅茶ならブレンドティーも手軽に楽しめます。この機会に自分好みの味を探してみましょう。
~用意するもの~
~手順~
こんなブレンドティーもおいしい!
紅茶×ミント
紅茶と相性のいいハーブは様々な種類があり、ミントもそのひとつです。プラスするだけでスッとした清涼感を感じられる紅茶に早変わりします。爽やかな味を楽しみたいときにお試しください。
紅茶×日本茶
意外に感じられるかもしれませんが、紅茶は日本茶とも相性が良いです。紅茶が持つ独特の渋みを和らげるため、おいしいブレンドティーが楽しめます。清涼感がある爽やかな緑茶や香ばしいほうじ茶等、それぞれの風味を紅茶にプラスしてみてください。
紅茶×プーアル茶
身体にも嬉しいといわれるプーアル茶ですが、独特な風味のため人によっては飲みにくく感じられることもあります。紅茶とブレンドすることで飲みやすくなるため、ヘルシーなブレンドを試してみたい方は一度トライしてみてはいかがでしょうか。※2
お水によって香りと味が変わる?
日本酒やコーヒーをはじめ、どんな飲み物も原料となるお水の影響力は大きいといえます。 紅茶も同様にお水は無視できない存在です。紅茶大国のヨーロッパの天然水はおおむね硬水で、日本の天然水はというと軟水がほとんど。
同じ茶葉を使ったとしても、硬水と軟水ではできあがりに差異が生じてきます。
硬水で飲む紅茶は、お茶の水色が黒っぽくなり渋みや香りがマイルドになります。軟水で飲む紅茶は、お茶の水色が薄く素材本来のタンニンの渋みが出ます。
好みによってお水を使い分けるのがベストですが、イギリスでは2003年6月24日、英国王立化学協会によって「紅茶のおいしい入れ方」が10か条にまとめられ、提言されました。 その際にアンドリュー・スティープリー博士が検証にあたり、用意するものとして提言されたお水は軟水とされています。※1
主な紅茶の種類とは
味に大きく影響を与えるのはお水だけではありません。ご存じの方も多いかと思いますが、紅茶には様々な種類があり、それぞれ味が異なります。
紅茶は原料となる「チャノキ」から作られ、主に中国種とインド種に分かれています。より紅茶に向いているのはインド種とされていますが、中国種の茶葉でも紅茶は作られています。中国で誕生し海をわたった紅茶は、ヨーロッパを中心に400年以上世界中で愛されてきました。
同じ茶葉でも収穫する季節によって味が異なる
技術の進歩によって、通年で紅茶を楽しめることが多くなりましたが、他の果物や野菜と同じように、茶葉にも旬があります。
旬は、スリランカではクオリティーシーズン、インドではファーストフラッシュ(春摘み)、セカンドフラッシュ(夏摘み)等と呼ばれています。産地によって、個性(香りや味わい等)を楽しむためのベストなタイミングは異なります。それぞれの茶葉の旬を意識してみるとよいでしょう。
紅茶の種類は、全てを紹介しきれないほどの数がありますので、ここでは代表的な種類(産地)を紹介します。
代表的な紅茶を紹介
紅茶の名前は、基本的に産地の名前からとられています。最近では産地のほか、茶園が明記されることも多くなっています。
ダージリン(インド)
高級品として有名な茶葉で、世界三大銘茶のひとつ。
その中でもダージリンは「紅茶の王者」や「紅茶のシャンパン」とも称されています。
アレンジはせず、ストレートで楽しむのがおすすめの飲み方です。
旬:3~4月ファーストフラッシュ、5~6月セカンドフラッシュ、10~11月オータムナル
アッサム(インド)
世界有数の雨量の多い土地であり、世界最大の紅茶産地です。
アッサムで育った茶葉は、独特の渋みやコクを感じさせ、芳醇な香りをもっています。味わいが濃いため、特にミルクティー向きの種類です。
旬:2月下旬~3月ファーストフラッシュ、4月~6月セカンドフラッシュ、9~11月オータムナル
ウバ(スリランカ)
世界三大紅茶のひとつに数えられているウバ。標高約1,220m以上の製茶工場で生産される紅茶で、セイロンティーの中でも高級品にランクされています。
立地条件によって、バラやスズランの花香の甘い刺激的な「ウバフレーバー」がつくり出され、特に人気が高いです。爽快な渋み、明るい真紅色の水色も特徴です。ストレートが良いとされていますが、濃いめのミルクティーもおすすめです。
旬:7~8月
キーマン(中国)
最後に世界三大紅茶のひとつとして数えられているキーマン(祁門)。
(キームンや、キーモン等、他の呼び方も多数あります。)
中国で生産されるこの種類は、古典的な紅茶が感じられるのが特徴です。葉の色は黒いのですが、澄んだ明るい水色で、ストレートでもミルクティーでもおいしく楽しめます。
旬:3~4月
フレーバーティー
有名なアールグレイも、実はフレーバーティーに分類されます。
生産過程で、ベルガモットという柑橘フルーツの香りづけをおこなっています。
ストレートティーはもちろん、ミルクティーやラテとして楽しめます。
旬:種類によって異なる
今回ご紹介した以外にも、種類(産地)は多く存在します。風土や気候によって個性が異なるので、茶葉専門店に足を運んだり、インターネットで調べてみたりすると、より一層紅茶を楽しむことができるでしょう。
実は茶葉にも等級(リーフグレード)がある!
日本茶は一番茶、二番茶等のその年の新芽を摘み採る順番によって呼び方が変わり、等級も異なります。
紅茶にも等級は存在しますが、品質についてのものではありません。紅茶の等級とは、仕上げの工程でふるいにかけ、茶葉の形状や大きさによって分けられたものであって、品質の良し悪しとは関係なく区分されるものです。
紅茶の等級(リーフグレード)とは
OP(オレンジ・ペコー)
形がほぼそのまま残っていて、橙黄色の芯芽を含みます。抽出した水色は明るく薄いものが多く、香味が強いのが特徴です。
P(ペコー)
葉は太めで良く揉まれたものを呼びます。OPよりも短く、針金状ではなく、芯芽はあまり含まれません。
BP(ブロークン・ペコー)
BOPよりややサイズは大きく、芯芽をふくまず形も扁平なものが多く中級品とされることが多いです。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
需要が最も多いです。葉のサイズが小さく、もっとも多く芯芽を含み、よく揉まれています。 水色も濃く、香りも強いものが多いです。
BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス)
BOPよりも小型で、濃く早く抽出されます。ブレンドに多用される上級品とされます。
F(ファニングス)
扁平で小さなサイズですが、ダストよりもやや大きいのが特徴です。
D(ダスト)
最も小さい茶葉とされるものを呼びます。「ダスト」という名称ですが、低級品ということではありません。
CTC製法について
CTC製法とは、Crush, Tear and Curl(押しつぶし、引きちぎり、丸める)の略で、専用の機械で加工されて主にティーバッグに使われます。
上記の等級の位置づけとは異なり、加工された茶葉は短時間でしっかりと抽出でき、忙しい現代人のニーズに合わせた新しい製法です。今では世界中の産地でも採用されている製法で、濃いストレートを楽しみたい人や、コクのあるミルクティーが好きな方におすすめの製法です。
紅茶の入れ方ひとつで広がる紅茶の世界
今回は、紅茶の種類や紅茶の入れ方等、紅茶の基本についてご紹介しました。
しかし手順が多く、なかなかこの通りに入れるのは難しいのではないでしょうか。そんなときには、ウォーターサーバーを使って手間を省いてみるのはいかがでしょう。
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