「世界水の日」って何?実施イベントや取り組みからお水の大切さを考える
「世界水の日」をご存じでしょうか。
毎年、この日は水資源の開発や保全、アジェンダ21を実施するための普及啓発をおこなう日とされています。制定された経緯や目的がわかれば、改めてお水の大切さを実感できるでしょう。
そこで今回は、「世界水の日」とこの日に実施されているイベントや取り組みについて詳しく紹介します。
目次
- 1.「世界水の日(3月22日)」とは?
- 1-1.制定された背景
- 2.世界の水事情
- 2-1.使用できるお水は約0.01%
- 2-2.お水の脆弱性が高い人は約14億人
- 2-3.世界的な人口の増加
- 2-4.異常気象の水量の減少
- 2-5.2025年には39億人が水不足
- 2-6.多発する世界各国の水紛争
- 3.「世界水の日」に実施されたイベントや取り組み
- 3-1.【世界】国連水会議
- 3-2.【日本】Blue4Water
- 3-3.【日本】ウォータープロジェクト
- 3-4.【日本】水の惑星プロジェクト
- 4.「世界水の日」はSDGsにも関係する
- 4-1.目標6「安全な水とトイレを世界中に」
- 5.「世界水の日」にお水の大切さについて考える
- 5-1.「お水は貴重」という意味を知り、広める
- 5-2.日本の水道設備による安全性に感謝
- 5-3.お水の使い方を見直し節水を心がける
- 5-4.汚れのもとを流さず、水源を守る
- 6.プレミアムウォーターの取り組み
- 7.お水は貴重な資源
「世界水の日(3月22日)」とは?
「世界水の日」は、ブラジルで1992年6月に開催された「環境と開発に関する国際連合会」で制定されました。
「地球サミット」ともよばれるこの会議で、21世紀に向けた持続可能な開発を実現するための行動計画「アジェンダ21」が採択され、1993年より毎年3月22日を「世界水の日」としたのです。※1
制定された背景
世界には、今も生活水を利用できず、そのために教育や就労の機会を得られなかったり、汚水で命を落としたりしている人々が多くいます。また、気候変動による異常気象により、水不足や水源汚染のリスクは年々高まっているのが現状です。
その解決のため、様々な取り組みがされていますが、普及活動をさらに広めるため、「世界水の日」が制定されました。
世界の水事情
「水の惑星」ともよばれる地球に「世界水の日」が制定されてから、30年が経過しました。しかし、残念ながら今も世界の全ての方たちが清潔で安全なお水を利用するには至っていません。
現在、世界の水事情については使用できる水量や地域的な問題、人口増加や水紛争等、主に6つの問題があるとされています。※2
使用できるお水は約0.01%
地球の表面は3分の2をお水で覆われ、その水量は14億㎦といわれています。しかし、その多くは海水です。
淡水は、地球全体のお水のうち2.5%程度に過ぎません。その多くは、南極・北極地域の氷や氷河で、河川や湖沼、地下水等「お水」として機能する淡水量は地球全体のお水のうち、わずか0.8%ほどしかありません。
その中でも人間がそのままの状態で利用できるお水は、約0.01%(10万㎦)に限られているのです。※3
お水の脆弱性が高い人は約14億人
世界の約14億人は、お水の脆弱性が高い、つまり生活に必要なお水を十分に得られていないのです。
80か国以上の子どもたちの暮らしている地域では、今も十分なお水を得られておらず、東部・南部アフリカの半数以上の子どもたちは、特にお水を得るのにとても困難な状況にあります。
また、マグマによる火山活動が活発なホットスポットといわれる37か国では、子どもの数や割合からさらに深刻で、早急な水資源の投入やサポートが求められています。※4
世界的な人口の増加
世界的な人口の増加も、水事情に大きな影響を与えています。2022年11月15日には世界人口が80億人に達しました。今後、2030年までに約85億人、2050年には97億人に増える見込みです。
日本では少子高齢化社会が進む中、エジプトやインドを中心とする8か国では、人口が集中して増加しており、サハラ以南アフリカの国々では2050年までに現在の人口数の過半数が増加すると予測されています。
異常気象と水量の減少
気候変動による異常気象と水量の減少も、大きな課題のひとつです。2014年に政府もここ数十年の気候変動が、全大陸と海洋の生物を含めた自然や人間システムに大きな影響を与える旨を公表しました。※2
特に、最近は世界各国で洪水や干ばつが多発しており、国家レベルの洪水で約3千万人、干ばつでは約5千万人が被害を受けたと報告されています。水資源として利用できるお水の量は降水量の変動で常に変化し、地球温暖化による異常気象は、お水の利用可能量に大きく影響するのです。
2025年には39億人が水不足
2025年には、世界人口の40%以上にあたる39億人が、水不足の影響を受けるといわれています。2000年時点で、世界で必要とされるお水の量は約3,600㎦で、このうち約3分の2は灌漑(かんがい)用水、つまり田畑に必要とされるお水です。
今後の水需要を考慮すると、製造業の工業用水は400%増、発電用は140%増、生活用水は30%増、全体では今より55%増までお水の量を増やさなければなりません。※2
多発する世界各国の水紛争
現在、水紛争は世界各国で多発しています。水紛争の原因の多くは、人口増加や異常気象による水不足です。井戸水をめぐる対立や汚染・不十分な水道整備へのデモ・国同士の使用権等、争いが絶えません。
水不足が紛争に発展するケースや紛争で水資源が損なわれる場合もあり、事態は深刻を極めています。※2
「世界水の日」に実施されたイベントや取り組み
「世界水の日」の3月22日には、毎年のテーマに沿って各国の企業や関連団体で様々なイベントや取り組みが実施されています。その目的は、どうしたら今後も安全に使えるお水を保ち、よりよく管理できるのかを改めて考えることです。
これまでに実施された世界や日本でおこなわれた、代表的なイベントや取り組みを4つ紹介します。
【世界】国連水会議
2023年には「世界水の日」から2日間にわたって、46年ぶりの「国連水会議」がニューヨークで開催されました。
オフライン・オンラインを含めて約1万人が参加し、安全な飲み水や衛生管理、気候・災害リスクの軽減、国際協力を始めとする2030アジェンダの水関連の目標等、お水に関するテーマについて話し合いがおこなわれました。※5
【日本】Blue4Water
「Blue4Water」は、毎年、特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパンが「世界水の日」に水問題への関心を促すために主催する参加型キャンペーンのイベントです。
参加方法は3つで、次の3つです。
- 身近なものを青く染めよう
- SNSを青く染めよう
- 周りの人に広めよう
例えば、青い小物を身につける、SNSで「♯Blue4Water」のタグをつけて青いものの画像を投稿する、お水に関する知識を家族や知り合いに教える等で、特に準備を必要とせず取り組みをしやすいものに気軽に参加できます。
【日本】ウォータープロジェクト
「ウォータープロジェクト」は、2014年4月の「水循環基本法」の公布に伴い、環境省によって発足されました。
本プロジェクトの目的は、産官学民等の連携によって、多くの企業や団体のお水への取り組みを紹介するとともに、お水の重要性や新しい情報の配信です。※6
【日本】水の惑星プロジェクト
「水の惑星プロジェクト」は、2023年の「世界水の日」に日本で実施されました。主催は、イギリスに本拠を置く日本法人「レキットベンキーザー・ジャパン株式会社」です。
本プロジェクトの目的は、お水の大切さと恩恵について学ぶ機会作りと節水の促進で、お水をテーマとした2つのプロジェクトがおこなわれました。
- 第1弾:数量限定で冊子「水の惑星の歩き方」を発刊(「地球の歩き方」とのコラボ)
- 第2弾:特設サイトによる「あたりまえ地球の水クイズ」の公開
「世界水の日」はSDGsにも関係する
「世界水の日」は、お水について考えるだけではありません。SDGsにも深く関係しています。SDGsのお水に関する目標を達成するため、世界の人々にアクションを促す日でもあるのです。
目標6「安全な水とトイレを世界中に」
SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」は、トイレだけでなく淡水と衛生にフォーカスしています。※7
その目的は、地球に暮らす全ての人々がお水と下水・衛生施設を利用できる持続可能な環境を整えることです。世界中の人々が管理された安全な水を確保でき、衛生的なトイレ施設を配置できれば持続可能な社会を実現できるでしょう。
「世界水の日」にお水の大切さについて考える
世界には、日本のようにお水を使えない国も多く、施設の整備や水不足の解消が急がれています。お水は、けっして無尽蔵な資源ではなく、限りのあるものです。今後は、私たちひとりひとりが地球意識を持って、協力していかなければなりません。
「世界水の日」を機に、お水の大切さについて改めて考えてみましょう。
「お水は貴重」という意味を知り、広める
お水の豊かな惑星というイメージの強い地球ですが、人間が生活に利用できるお水はほんのわずかです。
現在、世界で利用されている約80%のお水は「廃水」として捨てられ、川や海、大地に流されています。生活用水や経済活動に使われたお水は河川の水質汚染につながり、生態系が崩れるだけでなく、人間の生活環境や健康にも悪影響を及ぼします。
「お水は貴重」という意味は、ただ節約するだけでは十分ではありません。使ったお水を適切に処理し、再利用できる循環の輪に還すという意識を広めていく姿勢が大切です。
日本の水道設備による安全性に感謝
日本は、水道水をそのまま飲めるほどの安全性を誇っています。しかし、水資源がとても豊かというわけではありません。水道法によって厳しく安全性を取り締まっているため、日本では水道設備が行き届いているのです。
「世界水の日」には、このような日本の水道設備の安全性について、改めて感謝する日にしたいですね。
お水の使い方を見直し節水を心がける
お水の使い方を見直し節水を心がければ、限られた水資源を守ることにつながります。毎日の日常生活で、すぐに始められる6つの節水方法を紹介しましょう。※8
- 洗濯はまとめて洗い、回数を減らす
- お水を流したまま食材や食器を洗わない
- お水を流したまま歯磨き・洗顔をしない
- シャワーを流しっぱなしで使わない
- 水洗トイレでは大小のレバーを使い分ける
- お風呂の残り湯を再利用する
汚れのもとを流さず、水源を守る
人間が使うお水は、主に空から降った雨でできた川のお水です。
雨を降らせる雨雲は、海や陸のお水が蒸発して大気中にできたもので、植物が吸い上げた雨の一部は、葉等から蒸散して雲になります。こうして循環される地球のお水の量は、はるか昔からそれほど変わっていません。※8
だからこそ、汚れのもとを流さず下水施設できちんと処理し、きれいなお水を川に戻して水源を守る必要があります。
プレミアムウォーターの取り組み
プレミアムウォーターでもお水を取り扱う企業としてお水の大切さを理解し、水資源や環境、様々な活動をおこなっています。その中でも、水資源の保全のために以下のような活動をおこなっています。
- 小学校での出張授業
- 田植え/稲刈り体験
- 富士山清掃活動
- 森林整備活動 等
プレミアムウォーターでは2030年までの目標として掲げている「地域ごとの最適な涵養(かんよう)活動」・「お水の価値を伝える教育」を推進していくため、今後もより一層、様々な活動に取り組んでまいります。
お水は貴重な資源
3月22日は「世界水の日」。
お水を様々な用途で利用する人間が生活するうえで、お水という貴重な資源の恩恵に感謝する良い機会かもしれません。
これからもずっと安全できれいなお水を使い続けられるよう、私たちは健全な水環境を守らなければなりません。今年の「世界水の日」には、お水のためにできることから始めてみませんか。
あわせて読みたい「暮らしと天然水」に関する記事
参考文献
- ※1 世界水の日(国土交通省)
- ※2 水資源問題の原因(国土交通省)
- ※3 世界の水資源(国土交通省)
- ※4 3月22日には世界水の日【2021年3月18日 ニューヨーク発】(ユニセフ)
- ※5 2023年国連水会議:プレスキットから【よくある質問】(国際連合広報センター)
- ※6 ウォータープロジェクトとは(環境省)
- ※7 SDGグローバル指標 6:安全な水とトイレを世界中に(外務省)
- ※6 飲み水はどこから?使った水はどこへ? 暮らしを支える「水の循環」(政府広報オンライン)
シェアNo.1の天然水ウォーターサーバーは「プレミアムウォーター」
豊富なデザインで業界シェアNo.1のプレミアムウォーターでは、非加熱のこだわりの天然水をご自宅にお届けいたします。