水資源とは?日本や世界の水問題と原因、取り組みについて解説
山が多く海に囲まれた自然豊かな日本。日本のほとんどの場所では、蛇口をひねれば安心して飲むことができるきれいな水が出てきます。そのため「水があることが当たり前」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、世界では現在も水資源の問題があふれており、それは日本も例外ではありません。本記事では、日本と世界の水資源にまつわる課題と、私たちが今日からできる取り組みについて紹介します。
目次
水資源とは?
「水資源」とは、地球上に存在する水のうち、人間が使用する水のことを指します。水資源は空から降る雨水がもとになっており、大きく分けて以下の4つに分類されます。※1
- 生活用水:料理やお風呂、トイレ等で使う水
- 工業用水:工場等での機械や車両の洗浄で使う水
- 農業用水:野菜やお米の栽培で使う水
- 発電用水:水車を動かすことで発電させるために使う水
これらの水資源は、私たちの生命活動を維持するために欠かせません。しかし、日本や世界では水資源に関する問題が今もなお起きているのです。
日本の水資源問題
日本が抱える水資源の課題は、主に「水資源の確保」と「輸入」の2つが挙げられます。日本は台風が多く梅雨もあり、世界的に見ても降水量の多い地域に属しています。
国土交通省によると、日本の年間平均降水量は1,718mmです。世界の平均降水量は880mmのため、約2倍以上の雨量となっています。そのため水資源が豊富にあると思われがちですが、実は人口1人あたりの水資源量は、世界平均を下回っていることがわかっています。※2
水資源の確保
世界的に見ても日本の降水量は多いにも関わらず、日本における人口1人あたりの水資源量は世界平均の約1/4となっています。 雨が多く降るものの、日本は地形が急な傾斜でできており雨が流れやすく、水資源として確保する前に海に流れ出てしまうことが原因です。水が豊富に思える日本ですが、水資源の確保は解決しなければならない問題なのです。※2
日本での水資源の使い道は農業用水が多く、次いで生活用水、工業用水の順に使用されています。工業用水は技術の発展によって回収利用され、新たな水資源を使う量が減ってきています。しかし1人あたりの水の使用量が増えていることから、工業用水の節水だけでは課題の解決には至りません。※2
地震や台風等の災害が多い日本では、大きな被害があった際に断水することもあります。 降水量の少ない年は水が枯渇する「渇水」に陥ることもあり、日本においては断水時にどう水を確保するかも、大きな課題です。
実は輸入に頼っている日本
海に囲まれた島国である日本ですが、水資源は世界に頼っていることが課題となっています。ミネラルウォーターの輸入だけではなく、日本はたくさんの食物を世界からの輸入に頼っています。
輸入で入ってくる食物を育てるためには、水が必要です。その水は輸入先の国々にある水資源を使用して作られているため、日本は間接的に世界の水資源を使用していることになるのです。この水資源を「バーチャルウォーター」と呼びます。
独立行政法人水資源機構の役割
水資源量が少ない日本で、安全な水を安定して供給させるためには、水の使い道や供給を計画的におこなわなければなりません。そのため、水資源の確保や国民への安定供給を目的とした施設の開発や管理をおこなうため「独立行政法人 水資源機構」が1961年に設立されました。
日本には「水資源開発水系」と呼ばれ、水資源の元となる7つの水系があります。これらの水系やダム等、53施設の管理をしながら水の確保をおこなっているのです。※3 また、災害の多い日本では、近年の気候変動による洪水や渇水等が度々発生します。そういった場合の早期解決にも水資源機構の役割があるのです。
世界の水資源問題
水資源の問題を抱えるのは、日本だけではありません。世界では、日本とは別の水資源問題が存在します。
主に「安全な水資源の供給」や「人口増加による水不足」が挙げられますが、安全な水が手に入りやすい日本ではイメージが湧きにくいかもしれません。ひとつずつ詳しく解説します。
課題(1)安全な水資源の供給
日本をはじめとする先進国では、安全な水質の飲料水を手に入れることができますが、世界では、安全な飲料水が手に入りにくい地域があります。アフリカや東南アジアの一部等を中心に、約12億人が安全な水を得られていないのが現状です。
また、衛生設備にも課題があります。日本や北アメリカ等では適切な衛生設備が使用できますが、世界では約24億もの人が下水道等の衛生施設が整っていない生活を送っているのです。
これらも要因となり、水によって病気を引き起こし亡くなってしまう子どもは年間で200万人もいるとされています。家に水道が通ってないために水汲みを役割として任され、学校に行くことができない子どもについても、解決していかなければならない課題のひとつでしょう。※2
課題(2)人口増加による水不足
日本では年々人口が減少しているため想像がつきにくいかもしれませんが、世界ではインドや中国を中心に人口が増え続けていて、国連の予測によると2050年には人口が97億人に達するといわれています。※4 一方で水資源の量は昔から大きな変動はないので、水質保全や水の確保等における水資源にまつわる問題は、今後より一層深まる可能性も懸念されています。
SDGsから考える水資源の課題と対策
SDGsとは「持続可能な社会への取り組み」を指します。
17個の宣言のうち、目標の6が「安全な水とトイレを世界中に」とされています。具体的には2030年までに、だれもが安全な水を、安い値段で利用できるといった目標です。
持続可能な社会に向けて、水資源は切っても切り離せない問題です。他人事ではなく、1人ひとりが意識していくことが大切になります。
プレミアムウォーターの取り組み
プレミアムウォーターでは、日本の天然水の価値を世界に発信していく企業として、事業活動を通して様々な社会課題に取り組んでいます。「水資源の保全」として、以下の2つが大きな取り組みです。
- 水を創る
- 未来に語り継ぐ
地下水が有限であることを踏まえて、枯渇を防ぎ最適な涵養活動をおこなっています。また、次世代に水の価値を伝える教育活動も展開しています。日本の天然水の価値や実情を子どもたちに伝える教育活動を実施し、水の持続可能性を追求しているのです。
今ある水資源を適切に使いながら、水の価値を伝え未来に継承していくことで、持続可能な社会の実現を目指しています。※5
今日から私たちにできる水資源問題への取り組み
世界では今も水資源にまつわる問題の解決に向けて、試行錯誤がなされています。日本で開発された高い水処理技術も世界で導入されています。
ただし、優れた技術をもってしても、世界の水問題を根本的に解決することはできません。地球の水資源を使う私たち1人ひとりが水資源問題に向き合い、できることから取り組むことが大切です。
(1)節水を意識する
今日からできる水資源問題への取り組みのひとつ目は「節水」です。日常生活で使用する生活用水として、料理や洗濯、トイレ、お風呂等、私たちは毎日多くの水を使っています。
例えばお風呂で身体を洗うときや料理で野菜を洗うとき等、水道水を出しっぱなしにしてはいないでしょうか。こまめに止めるだけでも大きな節水になります。また、トイレは用途によって水洗量を使い分けられるようになっているタイプもあります。大小を使い分けることも、私たちにできる節水のひとつです。
(2)水資源の環境を守る
2つ目は「水資源の環境を守ること」です。水資源は循環しています。雨が降り川を流れ、海にたどり着き、蒸発してまた雨が降ります。つまり、川や海は私たちの水資源に大きな関わりがあるのです。※6
川や海、湖等にごみを捨てないこと、落ちているごみを見つけたら拾うことから始めてみましょう。また、地域の清掃ボランティア活動に参加するのもよいですね。小さな行動に思えることも、回りまわって自分たちの水資源に還ってくるのです。
(3)水に汚れを流さない
3つ目は「汚れを流さないこと」です。例えば料理をしたときに、調理器具や食器に残った汚れをそのまま流したりしていませんか?また、洗う際に必要以上に多くの洗剤を使用してはいないでしょうか。
日本では下水道設備が整っているところが多く、高い技術力で処理がなされています。しかし、汚れがひどい場合には処理速度が遅くなり、結果として川や海に流れ込んでしまう可能性があります。
食器や調理器具についた油汚れは紙で拭く、料理の際に出る野菜くず等をそのまま排水溝へ流さない等、汚れのもとを流さないように気をつけましょう。
日本と世界の水資源問題を知り、できることから始めよう
日本の水資源は、世界に比べると1人あたりの水資源量が少ないことや、水や食物の輸入によって世界の水資源を間接的に使用しています。現在のまま頼り切ってしまうと、世界の水資源問題がさらに深まったときに、日本にも大きな影響があると考えられるでしょう。
今すぐに輸入を止めるようなことは難しいかもしれません。しかし、ひとりひとりが日常生活の中で水資源の問題を思い出し、行動することで今後の水資源を守ることにつながります。限りある水資源を大切にするために、私たちにできることから始めていきましょう。
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参考文献
- ※1 水資源の概況(独立行政法人 国際協力機構)
- ※2 世界の水問題の現状(飲料水)(国土交通省)
- ※3 水資源開発基本計画について(厚生労働省)
- ※4 人口と開発(国際連合広報センター)
- ※5 プレミアムウォーターホールディングス サスティナビリティレポート2023(プレミアムウォーターホールディング)
- ※6 飲み水はどこから?使った水はどこへ? 暮らしを支える「水の循環」(政府広報オンライン)
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