備蓄で必要なものとは?家庭によって必要なものを取捨選択しよう
「備蓄」という言葉は聞いたことがあるけど、実際に何から準備すれば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。備蓄は災害時に、とても重要な役割を担っています。
そこで今回は、備蓄の重要性・備蓄すべき種類と目安となる量について詳しく解説します。必要なものをきちんと把握して、災害時に備えましょう。
家庭状況別にもそれぞれ詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも備蓄とは?
備蓄とは、万が一に備えて蓄えておくことを意味します。
備蓄するものは普段から食べ慣れているもの、使い慣れているものにしましょう。使用用途を把握しているものを備蓄することで非常時でも安心して利用できます。
備蓄すべきものの種類
一般的に備蓄すべきものはお水・食料・衛生用品と言われています。どれも災害時には欠かせないものです。それぞれ詳しくみていきましょう。
お水
お水を飲料用として備蓄することはもちろん、生活用水の備蓄も必要です。
トイレで用を足す際や身体をきれいにする際にもお水を使用するので、日頃からお風呂のお水を張っておく等の工夫をすると良いでしょう。
また、普段から飲料水用のお水をペットボトル等で常備していると、災害時にもパニックにならずお水を確保することができます。ウォーターサーバーを利用していると、ご自身の定期配送の頻度を調整することで、わざわざ備蓄を意識せずとも自宅に常にストックをしておけるのでおすすめです。
お水は災害時の必需品です。日頃から飲料水と生活用水の両方のお水を常時ストックがあるようにしておきましょう。
食料
普段から常備できる食品はたくさんあります。その中でもできるだけ災害時に持ち運びができるものを備蓄しましょう。例えば、以下のような食品があります。※1
- 米(アルファ米)、乾麺(そば、うどん、そうめん、パスタ等)
- 缶詰
- レトルト食品、フリーズドライ品
- シリアル
- 野菜ジュース
- お菓子
基本的に常温で日持ちする食品がおすすめです。アルファ米やビスケット等も主食として備蓄できます。※2
サバやアジ等の魚の缶詰、焼き鳥や果物の缶詰等は、種類を多めに備蓄しておくと災害時でも飽きずに食べることができ、不足しがちなビタミンやミネラルを摂ることできます。
災害時は不安や緊張が高まっている状況が続きます。食事の時間だけでも安心できるように普段から食べ慣れているものを備蓄するようにしましょう。
衛生用品
災害時はお水・食料だけでなく衛生用品も必要になります。ティッシュ等の紙類は多めに備蓄しておきましょう。
携帯用トイレは、断水時に便利です。お水なしで用を足せるものもあるので、しっかりと備蓄しておきましょう。
状況別の備蓄品
一般的に備蓄すべきものとは別に、それぞれの状況に合わせた備蓄も大切です。子ども・女性・高齢者に必要なものを詳しく解説します。
子どもがいる家庭に必要なもの
乳幼児がいる家庭では、以下のものも備蓄しましょう。※2
- ミルク、哺乳瓶
- 食器用洗剤、携帯カトラリー、抱っこ紐
- 紙おむつ、おしり拭き、ごみ袋
- 子どもが好きなお菓子、パン、飲料水等
- 折り紙や絵本等
ミルクや哺乳瓶は子どもが飲み慣れているものが好ましいです。ただ、粉ミルクを利用する場合は、お湯が必ず必要になります。お湯やお水自体が使えない場所に避難している場合等、緊急時のことも考えると殺菌や消毒等を気にせずにすぐ利用できる液体ミルクもひとつの手段です。
現在は、日本でも液体ミルクも販売されるようになったので、上手に活用しましょう。また、非常時は子どもにもストレスがかかりやすいので、好きなお菓子等も備蓄しましょう。
女性ならではの必要なもの
女性ならではの必要なものも普段から使用しているものを備蓄しましょう。
- 生理用品
- サニタリーショーツ
- 中身が見えないごみ袋
- ブザー、ホイッスル
災害時でも衛生管理ができるように備蓄しておきましょう。また、ブザーやホイッスルは常に身につけていられるように首にかけておくと、いざというときに役立ちます。※2
高齢者がいる家庭に必要なもの
高齢者がいる家庭では以下のものを備蓄しておくと良いでしょう。※2
- 大人用紙おむつ
- 介護食
- 持病の薬、お薬手帳のコピー
- 入れ歯・洗浄剤
- 補聴器、吸水パッド等
一概に高齢者といっても、それぞれの体調に合わせて備蓄をする必要があります。家庭によって必要なものが異なるので、日頃から必要なものを相談しながら備蓄しましょう。
子どもや女性、高齢者がいるご家庭の場合は、上記のように備蓄をする必要があるものが増えるので、家族で相談をしながら備蓄用バッグを用意することをおすすめします。
備蓄最低3日分の量とは
備蓄する目安として最低でも3日分は必要です。支援物資が届くまで最低でも3日はかかると言われています。また、ライフラインが復旧するのに1週間程度かかります。余裕があれば7日分の備蓄を準備しましょう。※2
災害時、少しでも快適に過ごせるよう備蓄する目安について紹介します。
大人1人分の場合
大人1人分が基本になります。ご家庭の人数に合わせて備蓄する量を調節しましょう。※3
【3日分の備蓄リスト一覧】
[食品]- お水…9L
- レトルト食品…9食
- 缶詰…2缶
- 野菜ジュース、ペットボトル飲料…それぞれ3本
- 栄養補助食品、即席麺…それぞれ3つ
- お菓子、乾物、調味料セット…適量
- カセットコンロ…1台
- カセットボンベ…3、4本
- トイレットペーパー…3ロール
- ティッシュ…3箱
- ラップ、アルミホイル…それぞれ1箱ずつ
- ビニール手袋、ビニール袋…それぞれ1袋ずつ
- 吸水袋、懐中電灯…それぞれ1個ずつ
- 使い捨てカイロ…2つ
- 携帯用充電器…1個(使用する量によって備蓄する個数も増やす)
- 運動靴…1足
- ウェットティッシュ…30枚
- アルコールスプレー…1本
- マスク…3枚
- 携帯トイレ…15回分
- 衣類、タオル…それぞれ3、4枚
- 歯ブラシ、歯磨き粉…それぞれ1個ずつ
- 大きめのリュックサック…1個
子ども(乳幼児)1人分の場合
子ども(乳幼児)用の備蓄は、子どもに合わせて粉ミルクを多めにしたり、おむつを多めにしたり調節しましょう。また、リュックに余裕があれば子どもが好きなおもちゃを入れても良いでしょう。避難時に退屈することなく遊ぶことができます。※3
【子どもの3日分の備蓄リスト一覧】
- お水…7L
- 粉ミルク…18食
- 紙おむつ…30枚
- おしりふき…3個
- 使い捨て哺乳瓶…18本
- 離乳食…9食
- お菓子、ジュース…適量
アレルギーの方がいる家庭の場合
アレルギーの方がいる家庭の場合、災害時でも普段から食べ慣れているものを準備する必要があります。また、アレルギーがある方が誤って食べないように目印になるようなシールを貼ると食品を見分けやすくなります。※4
支援物資が届いてもアレルギーのために食べられない食品がある場合、備蓄したものだけで生活することになります。食品や衛生用品については3日分ではなく、7日分を最低目安量として備蓄しましょう。
ローリングストック法を活用
備蓄方法としてローリングストック法があります。食品を無駄なく保管でき、環境にも優しい備蓄方法です。詳しく解説していきます。
ローリングストック法とは
普段のお買い物でいつもより少し多めに買い置きし賞味期限が近いものから消費して、消費した分をまた買い足していく方法をローリングストック法と言います。※5
普段の買い物でできる方法なので、備蓄するために時間を割く必要もありません。また、買い置きのスペースを少し増やすだけなので、手間もかからず、フードロスにも繋がります。
日常的に食べ慣れているものを備蓄するだけなので、災害時にも安心して食事ができます。備蓄量の目安として最低でも3日分、できれば7日分を買い置きしましょう。
備蓄は玄関や使い慣れているキッチンに
備蓄の保管場所としておすすめするのは、玄関とキッチンです。
玄関には消費期限がないものを置いておきましょう。玄関に置いておくことで、災害時にすぐ移動ができます。※2
消費期限があるものはキッチンに備蓄しておきましょう。日常的に使用するキッチンに置くことで消費期限の確認がしやすくなります。
ローリングストック法を活用する場合は、日常でも買い置きした食品を消費するので、使い慣れているキッチンに備蓄をしておき、災害時にサッと持ち運べる状態にしておきましょう。
持ち運びができるようにリュックに入れておく
災害時にすぐ移動できるよう、消費期限が長いものや衛生用品等は日頃からリュックに入れておきましょう。※2
手提げバッグ等では手が塞がってしまい移動する際に不便になるので注意しましょう。できるだけ大きめのリュックを準備し、備蓄品を全部入れられるようにしましょう。
備蓄をして災害時に備えよう
今回は、備蓄の重要性や備蓄方法、備蓄量について解説しました。災害時でも焦らず少しでも安心して生活できるよう、日頃から備蓄をするよう心がけましょう。常に浴槽にお水を張る等、できることから始めてみてください。
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参考文献
- ※1 災害時に備えた食品ストックガイド(1)(農林水産省)
- ※2 災害が起きる前にできること(首相官邸)
- ※3 いつか来る災害に備えよう(東京備蓄ナビ)
- ※4 アレルギーがいる世帯(農林水産省)
- ※5 簡単!「ローリングストック」(農林水産省)
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