熱中症警戒アラートとは?発表されたときにとるべき行動
近年の猛暑により熱中症への注意喚起が盛んにおこなわれています。
「熱中症アラート」は、熱中症のリスクが高まった際に注意を呼びかけるもので、環境省と気象庁が2024年4月から運用を開始しました。同時に重大な健康被害が生じる危険な暑さのときに発表される「熱中症特別警戒アラート」も運用されています。
警戒アラートは、全国を58に分け、地域ごとに出されます。
その指標となるのが気温と湿度等から算出される「暑さ指数」。暑さ指数がその地域内のいずれかの地点で33以上と予想される場合、前日午後5時頃か、当日午前5時ごろに発表されます。※1
近年、熱中症による死者は毎年ほぼ1,000人を超えており、その予防策として熱中症特別アラートも新設されました。過去に例のない危険な暑さを想定しており、警戒アラートの一段階上の情報となります。発表された際は、自身と家族の健康を守るための行動をとりましょう。
目次
- 1. 熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラート
- 1-1. 熱中症警戒アラートとは?
- 1-2. 熱中症特別警戒アラートとは?
- 2. そもそも「熱中症」と「暑さ指数」って?
- 2-1. 熱中症とは?
- 2-2. 暑さ指数とは?
- 3. 熱中症警戒アラート発表時にとるべき行動
- 3-1. 外出を控え、暑さを避ける
- 3-2. 熱中症予防行動をいつも以上に
- 3-3. 高齢者等への声かけ
- 3-4. 屋外での運動は注意
- 4. 熱中症が疑われる人を見かけたら
- 4-1. 涼しい場所に避難
- 4-2. 身体から熱を放散させ冷やす
- 4-3. 自力での水分補給を促す
- 4-4. 意識障害はすぐに病院に搬送
- 5. 情報配信サービスを活用しよう
- 6. 熱中症対策を忘れずに!
熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラート
アラート発表時に正しい行動をとるためにも、まずは熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートがどのようなものかお伝えします。
熱中症警戒アラートとは?
熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性に対し「気づき」を促すために発表されるアラートです。翌日・当日の日最高暑さ指数(WEBGT)が予測値で「33」に達する際に出されます。
都道府県ごとに発表され、情報はテレビやSNSを通じて発信されるので、熱中症警戒アラートを見たら、対策をとるようにしましょう。※2
熱中症特別警戒アラートとは?
都道府県内の全ての暑さ指数情報提供地点で、翌日の日最高暑さ指数(WBGT)が「35」に達すると予測される際等に発表されます。近隣の都道府県においても危険な暑さが予想されるため、周辺地域でも警戒が必要です。
自分で熱中症への予防行動がとれるのが望ましいですが、自身で対策をおこなうことが難しい方もいます。普段から家族や周囲の人々による見守り、声掛け等の共助・公助が重要になります。※2
そもそも「熱中症」と「暑さ指数」って?
重症になると命を落とすこともある熱中症。キーワードとなる「熱中症」と「暑さ指数」についてしっかり理解しておきましょう。
熱中症とは?
私たちの身体は恒常性という働きによって、体温を一定に保つ機能が備わっています。しかし何らかの原因により、体内の水分と塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温が上昇したままになってしまうことがあります。これを熱中症といいます。ほかにも頭痛やめまい、けいれん等、様々な症状を引き起こします。熱中症は重症度によって次の3段階に分類されます。
Ⅰ度:軽症(その場の応急処置で対応できる)
大量の発汗をはじめ、脳への血流が瞬間的に不十分となって起こる立ちくらみ、発汗による塩分不足で起こる筋肉痛やこむら返り等の症状がみられます。
Ⅱ度:中等症(病院への搬送が必要)
気分の不快や吐き気、嘔吐、頭痛、倦怠感、虚脱感がある場合には、病院への搬送が必要です。現場で判断せずに速やかに病院へ運びましょう。
Ⅲ度:重症(入院、集中治療の必要性あり)
身体に触ると熱い熱射病や、重度の日射病による高体温の場合、重度の熱中症となります。意識障害やけいれん、手足の運動障害があれば、入院して集中治療を受ける必要があるため、すぐに病院へ搬送してください。
熱中症は命を脅かすことがあります。暑い日は気づかないうちに汗をかき、体内から水分が失われています。のどが渇いてからお水を飲むのではなく、のどが渇く前のこまめな水分補給を心がけましょう。
コーヒーや紅茶、緑茶等のカフェインが含まれている飲料や、アルコール類は利尿作用があるため水分補給にはなりません。発汗により水分と同時にミネラル分も失われるので、水分補給にはミネラルウォーターが適しています。※3
暑さ指数とは?
暑さ指数は、Wet Bulb Globe Temperatureの頭文字をとって「WBGT」と表記されます。直訳すると「湿球黒球温度」という意味で、熱中症予防を目的として1954年にアメリカで提案されました。
気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、気温とは異なるので、混同しないように環境省では単位の「℃」を省略して記載しています。暑さ指数は、人体と外気の熱収支(熱のやりとり)に着目した指標です。人体の熱収支に大きな影響を与えるのは以下です。
①湿度
②日射・輻射等周辺の熱環境
③気温
これら3つを取り入れて暑さ指数として表します。暑さ指数は「28」で「厳重警戒」となり、これを超えると熱中症患者が急増します。※4
熱中症警戒アラート発表時にとるべき行動
ここでは熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートが発表されたときに、とるべき行動について解説します。予防行動を知っておくことで熱中症のリスクを避けられます。
外出を控え、暑さを避ける
不要不急の外出は避け、暑さを避けることが大切です。室内にいても熱中症の危険性は高いため、エアコンを適切に使い室温を調節してください。エアコンと一緒に扇風機やサーキュレーター等で空気を循環させると、効率的に部屋の温度を下げることができます。
またエアコンのフィルター詰まりは冷えにくくなるため、2週間に1度程度はフィルターの掃除をしましょう。電気代の節約にもなります。※5
熱中症予防行動をいつも以上に
熱中症警戒アラートが発表されたら、こまめな水分と塩分の補給、涼しい服装等、熱中症を予防するための対策をいつも以上に心がけましょう。暑い日はじっとしていても、じわじわと汗をかくので、運動をしていなくてもこまめに水分補給をします。
のどが渇く前に水分を摂るのがポイントで、1日1.2Lを目安に補給してください。汗をかくと塩分も一緒に失われるので、塩分補給も忘れないようにしましょう。※5
高齢者等への声かけ
高齢者や小さな子どもは自分で体調の変化に気づきにくく、周囲の方が水分・塩分補給や室温の管理に配慮する必要があります。また体調不良や肥満の方のほか、日頃あまり運動をしない方等も熱中症になりやすいため、積極的に声かけをしましょう。
特に高齢者は暑さを感じにくく、さらに発汗と血液循環が低下するため、気温が高くてもエアコンが必要ないと感じてしまうことがあります。熱中症警戒アラートが出た日には、暑いと感じていなくても昼夜を通してエアコンを使用し、水分・塩分補給をこまめにおこなうよう周囲の人が配慮しましょう。※5
屋外での運動は注意
熱中症警戒アラート発表時は危険な暑さであることを認識し、屋外やエアコンのない屋内での運動は、原則中止又または延期してください。
スポーツをすると大量の熱が発生して熱中症のリスクが高くなります。特に激しい運動は、それほど気温が高くない場合や短時間であっても熱中症が起こります。暑さの中でのトレーニングは質も低下して、効果は上がらないとされています。無理をせず、熱中症予防に配慮することは、事故防止だけでなくトレーニングの効率を上げるためにも重要です。※5
熱中症が疑われる人を見かけたら
万が一、熱中症が疑われる人を見かけたら、状況を確かめながら落ち着いて対処しましょう。適切な対処が、命を救うことにつながります。
涼しい場所に避難
大量に発汗している、めまいを訴えている等、軽症の熱中症症状が見られる人がいたら、すぐに日陰やエアコンの効いている室内等、涼しい場所へ連れて行きましょう。
涼しい場所に避難しても症状が急変する場合があるため、しばらくは目を離さず、1人にしないようにしてください。※5
身体から熱を放散させ冷やす
衣服をゆるめる、身体にお水をかける、濡れタオルを当てる、扇いで風を送る等をして、身体から熱を放散させて冷やしましょう。
自動販売機やコンビニがあれば、冷えたペットボトルやかち割り氷、氷のう等を購入して、皮膚直下の血液を直接冷やすのも効果的です。
効果的な部位は、首の付け根の両側、脇の下、鼠径部(股関節部分の前面)。これらに広く当てるようにしましょう。軽症であればこの処置で症状が改善することがあります。※5
自力での水分補給を促す
意識があり、しっかり応答できる場合には、冷たい飲み物を自分で飲むように促しましょう。冷たい飲料は水分補給だけでなく、胃の表面から体熱を冷やすこともできます。大量に汗をかいている場合には、失われた塩分も補える経口補水液やスポーツドリンク等が理想的です。
呼びかけや刺激に対する反応に異常がある、反応がない、意識がないという場合には、無理に水分を摂らせると気道に流れ込む可能性があるためNG。すぐに病院での点滴が必要です。※5
意識障害はすぐに病院に搬送
自分で水分を飲めないときや意識障害がある場合には、重症化している可能性があります。現場での対処は無理なので、すぐに救急車を呼び、病院に搬送しましょう。
病院へ搬送するかどうかの判断には、ペットボトルのフタを自分で開けられるか否かが基準になります。自分で開けられない場合には、すぐに病院へ搬送してください。※5
情報配信サービスを活用しよう
適切な熱中症対策をするためには、情報を入手することが大切です。環境省では無料の「暑さ指数メール配信サービス」を提供しています。
また環境省の公式LINEアカウントでは、熱中症予防対策の情報配信をしています。
LINEで友だち追加すると無料で情報が取得できるので、ぜひ活用しましょう。
熱中症対策を忘れずに!
熱中症のリスクが高まった際に注意を呼びかけるのが「熱中症警戒アラート」と「熱中症特別警戒アラート」です。
熱中症対策の基本はこまめな水分補給です。1日1.2Lを目安に、しっかりと水分補給するようにしましょう。また、無理に屋外で運動等はおこなわず、意識的に暑さを避けるように心がけましょう。
「熱中症警戒アラート」や「熱中症特別警戒アラート」が発表されたときには自分ごととして捉え、外出を控えてエアコンの効いた涼しい室内で過ごすようにしましょう。
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参考文献
- ※1 熱中症警戒アラート発表条件と発表方法(気象庁)
- ※2 熱中症予防情報サイト(環境省)
- ※3 熱中症について(公益社団法人全日本病院協会)
- ※4 暑さ指数とは?(環境省)
- ※5 熱中症は予防が大事!熱中症特別警戒アラートが始まります(政府広報オンライン)
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