カフェイン中毒とは?過剰摂取による症状に注意

最近、エナジードリンクをきっかけにカフェインの摂りすぎが問題になっています。カフェイン中毒とは、コーヒーやエナジードリンク等を必要以上に飲むことで起こる身体の不調のことです。
カフェインの過剰摂取が身体に及ぼす影響とは
カフェインを摂りすぎると、心臓がドキドキしたり、不安になったり、手が震えたりするほか、吐き気や不眠といった急性中毒症状が出ることがあります。ひどい場合は、けいれんや不整脈が起こる等、命に関わるケースも報告されています。
健康な大人の場合、1日に400mgまでのカフェインは問題ないとされています。これはコーヒー4〜5杯分に相当します。妊娠している方や子どもはカフェインの影響を受けやすいため、特に注意が必要です。カフェインはコーヒーや紅茶だけでなく、緑茶や市販の風邪薬にも含まれているので、普段から自分がどれくらいのカフェインを摂っているか、確認することが大切です。
健康効果もあるカフェインですが、適正に摂取しないと、健康へ悪影響を及ぼしかねません。正しい知識を身に付けておきましょう。
目次
そもそもカフェイン中毒とはどんな状態?
カフェイン中毒とは、コーヒーや紅茶、エナジードリンク等に含まれるカフェインを、必要以上に摂ることで引き起こす健康上の問題です。カフェインはタバコやアルコールのように依存性があり、飲み過ぎると慢性中毒症に陥る場合があります。
自動販売機等でエナジードリンクが手軽に購入できるようになってから、カフェイン中毒が急増しました。2011年度からの5年間では、カフェインを多量に含む製品の急性中毒により101人が救急搬送され、7人が心停止、3人が死亡したと報告されています。※1
カフェインの作用

カフェインは身体の中に入ると、交感神経を刺激して身体の代謝を活発にします。そのため、目を覚ます効果や痛みを和らげる効果等があります。一方で不眠や、めまい、利尿作用といった副作用を引き起こすこともあります。※1
実はカフェインは、モルヒネやニコチンと同じ「アルカロイド」の一種で、その依存性や、急性・慢性中毒が問題となっています。※2
カフェインの特徴のひとつは、神経を鎮静させるアデノシンという物質と化学構造が似ているということです。カフェインが体内で、アデノシンが作用する部分に結びつくと、アデノシン自体の働きが弱くなり、神経が興奮状態になります。過剰摂取すると神経が過剰に刺激されるため、様々な中毒症状が現れるのです。※3
カフェイン中毒になるとどうなるの?

カフェインを過剰に摂取して中枢神経系が過剰に刺激されると、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠等の症状が現れます。さらに消化器官が刺激されると、下痢や吐き気、嘔吐を引き起こすことも珍しくありません。不安やイライラ等の精神的な症状もカフェインの影響です。※3 ※4
軽い中毒症状の場合、食欲不振や吐き気、嘔吐が見られます。重症になると、低血圧やけいれん、不整脈といった深刻な症状も現れ、最悪の場合、命に関わることもあります。※5
また、長期的な悪影響にも注意が必要です。例えば人によっては、高血圧のリスクが高まる可能性があります。さらに、妊娠中の女性が高濃度のカフェインを摂取すると、胎児の発育を阻害して、低体重児が生まれる可能性も報告されています。※3
カフェインが含まれるもの

カフェインは、自然界に広く分布しているアルカロイドの一種として、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉等にも含まれています。これらを原材料として作られるコーヒーやお茶が、一般的なカフェインの摂取源です。
カフェインは特有の苦味を活かし、食品添加物としても用いられるようになっています。目覚めを促したり、疲労感を軽減したりする目的で、カフェインを添加している清涼飲料水が、エナジードリンクです。風邪薬や眠気防止薬、酔い止め薬等、市販の様々な医薬品にも、カフェインが含まれています。
カフェイン摂取量の目安

カフェインの摂取量
厚生労働省によると、カフェインの1日の許容量の目安は下記となります。※6
対象者 | カフェインの1日の許容量目安 |
---|---|
健康な成人 | 400mg |
妊娠中、授乳中、妊娠を予定している女性 | 300mg |
10歳~12歳の子ども | 85mg |
7歳~9歳の子ども | 62.5mg |
4~6歳の子ども | 45mg |
13歳以上の青少年についてはデータが足りず、明確な許容量は判明していません。ただし、1日あたり体重に対して2.5mg/kg以上のカフェインを摂取しないよう注意喚起されています。※6
そもそも子どもの身体はカフェインの影響を受けやすいため、エナジードリンクを与えないようにしましょう。健康な大人だと、摂取したカフェインの半分は、3~6時間後に尿として排出されます。しかし、肝臓の機能が未発達だったり、低下したりしている場合、排出にもっと時間がかかるのです。※5
また個人差はあるものの、人は1~2時間に1g以上のカフェインを摂取すると中毒症状が現れ始め、5g以上で死に至る危険性が高まります。健康な大人であっても、短時間にコーヒーを8~10杯飲むと、中毒を起こす可能性があるのです。※1
カフェイン摂取の注意点

カフェインはうまく利用すれば、適度に目を覚ましたり、集中力を高めたりと、日常生活に役立つ効果が期待できます。一方で、過剰摂取は健康を損なう危険性があるため、正しく取り入れるようにしましょう。ここではカフェイン摂取の注意点を紹介します。
h4カフェイン量を把握する
コーヒーやお茶等に含まれるカフェイン量を把握しておきましょう。エナジードリンク等は成分表示を見てカフェイン含有量を確認し、過剰摂取を防ぎましょう。※3
食品中のカフェイン濃度※3
食品・飲料の種類 | 量 | カフェイン含有量 (約) |
---|---|---|
エナジードリンク | 1本 | 36-150mg ※製品によってカフェインの濃度や内容量は異なる |
ドリップコーヒー | 100mℓ (1杯) | 60mg |
インスタントコーヒー (粉末) | 2g使用した場合 | 80mg |
紅茶 | 100mℓ (1杯) | 30mg |
ウーロン茶 | 100mℓ (1杯) | 20mg |
緑茶 (煎茶) | 100mℓ (1杯) | 20mg |
緑茶 (玉露) | 100mℓ (1杯) | 160mg |
ほうじ茶 | 100mℓ (1杯) | 20mg |
玄米茶 | 100mℓ (1杯) | 10mg |
抹茶 | 1.5g使用した場合 | 48mg |
エナジードリンクとアルコールの同時摂取は避ける
エナジードリンクに含まれるカフェインは酔いを感じにくくするため、アルコールの飲み過ぎや急性アルコール中毒のリスクが高まります。同時に飲むのは控えましょう。※3
医薬品とカフェイン含有飲料を一緒に飲まない
カフェインが含まれる医薬品を服用する際は、コーヒーやエナジードリンク等カフェイン入り飲料で飲まないようにしましょう。カフェインの過剰摂取を防げます。※3
各国の注意喚起

カフェインの摂取については、国際機関や各国政府から注意喚起やガイダンスが出ています。これらの情報も参考にしてカフェイン中毒を予防しましょう。
世界保健機関(WHO)
WHOは2001年の時点で、カフェインの胎児への影響は確定してはいないものの、妊婦にはコーヒーを1日3~4カップに抑えるよう勧告しました。2016年には、1日300mg以上のカフェイン摂取をしている妊婦は、低体重児出生や流産・死産のリスクが高まる可能性があるため、摂取量を減らすよう注意喚起しています。※3
アメリカ
米国食品医薬品局(FDA)は、健康な大人ならば1日400mgまで(コーヒー約4~5杯分)のカフェインは安全だとしています。コーラ飲料の場合は、カフェイン含有量が0.02%(200ppm)までなら一般的に安全としています。※3
ただし、妊婦や授乳中の女性、妊娠予定の方、薬を服用中の方は、カフェインの影響を受けやすいと警鐘を鳴らしています。医師への相談を推奨していることも念頭に置いておきましょう。※3
また、米国小児科学会(AAP)は、子どものカフェイン等の摂取を制限すべきだと主張しています。※3
ヨーロッパ
欧州食品安全機関(EFSA)は、大人が1回200mgのカフェインを摂取しても、健康リスクは増加しないと発表しました。習慣的に摂取しても、1日400mgまでなら問題ないと結論づけています。※3
EFSAによると、妊婦と授乳中の女性は、1日のカフェイン摂取量を200mg以下に抑えれば、胎児や乳児への健康リスクは上がりません。子どもに関するデータは不足していますが、大人と同様、体重1kgあたり1日3mgまでは悪影響がないと推測されています。※3
くれぐれも過剰摂取には気をつけよう

コーヒーやエナジードリンクのファンが増えた近年、誰もがカフェイン中毒のリスクを抱えているといえます。適量なら問題ありませんが、飲み過ぎないよう注意しましょう。
カフェインには利尿作用があるため、常飲すると水分不足になるリスクもあります。コーヒーやお茶は水分補給にならないため、こまめにお水も飲むようにしましょう。
こまめな水分補給にはウォーターサーバーがあると便利です。プレミアムウォーターは、お水本来のおいしさにこだわった天然水をお届けしています。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- ※1 「当院に救急搬送されたカフェイン中毒患者の カフェイン血中濃度と重症度の関係」(一林亮,鈴木銀河,渡辺雅之,山本咲,中道嘉,青山剛一,本多満)
- ※2 「The Impact of Alkaloids Structures from NaturalCompounds on Public Health」(Semantic Scholar)
- ※3 「カフェインの過剰摂取について」(農林水産省)
- ※4 「カフェインと睡眠」(NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター)
- ※5 「第54回 エナジードリンクとカフェイン中毒」(全国健康保険協会)
- ※6 「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」(厚生労働省)
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